将棋の棋王戦五番勝負第3局が3月6日に行われ、永瀬拓矢王座(29)が渡辺明棋王(名人、37)に勝利、シリーズ成績を1勝2敗とした。開幕から2連敗し4年ぶりの棋王挑戦で早くもカド番に追い込まれていた永瀬王座だが、終盤の攻め合いから抜け出すと、そのまま一気にリードを拡大。連敗の流れを断ち切る快勝を収めた。
【中継】棋王戦 五番勝負 第三局 渡辺明棋王 対 永瀬拓矢王座
プロの間でも研究がかなり進んだ角換わり腰掛け銀の出だしになった本局は、正午までの昼食休憩までに50手目まで進行。両者ともに序盤の研究が深い棋士としても知られることから、早いテンポで指し手が進んだ。
形勢が大きく動いたのは60手を過ぎたあたりから。渡辺棋王が、永瀬陣に切り込んだところ、永瀬王座も攻め合いしかないと腹を括って反撃開始。これが拮抗していた形勢を打開することにつながり、ペースを握ってからは一気に突き放すことに成功した。
対局後、永瀬王座は「(終盤)こちらが先に詰めろをかける形になったので、難しいかなと思いました。1手、こちらの攻めが早ければと思っていました」と振り返ると、「まずは第4局につなげることができたので、精一杯準備して頑張りたいです」と、今後の対局への意気込みを語った。
2人の対戦成績は、これまで23回あり渡辺棋王が18勝5敗、直近では渡辺棋王が4連勝と大きくリードをしていたが、この一局は永瀬王座の快勝。五冠を保持する藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、19)に次ぐ序列2位、序列3位による直接対決は、第4局でも熱戦が見られることになりそうだ。
(ABEMA/将棋チャンネルより)