この日はどうしても出て、そして勝ちたかった。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2021-22」3月10日の第1試合、渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)が藤田晋監督に登板を直訴し、トップを獲得。この結果により4着回避率のタイトルと4期連続の個人成績+200超えが確定した。試合後は、自ら「お見事でした」と好内容を振り返った。
この試合の対局者は東家からセガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)、赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)、EX風林火山・二階堂瑠美(連盟)、多井の並びでスタートした。魚谷、瑠美を追う形で迎えた南1局8巡目、多井は場況良しとみて残したペン七万とピンズ3面張のイーシャンテンとなる。そして9巡目、狙い通りにペン七万を引き入れ、絶好の4・6・7筒待ちでリーチをかけた。
この仕上がりに解説の土田浩翔(最高位戦)「多井らしい、キレがありますね。プロの一打」と絶賛した。丸山から追っかけリーチがかかったものの、多井は6筒をツモ。リーチ・ツモ・一盃口・赤・裏ドラの8000点を手に入れ、一気にトップ目へ躍り出た。
親番を迎えた南4局、瑠美の先制リーチを受けた多井。全員が2万点台の点棒状況で、放銃するとラス落ちのリスクもある。リーチの現物を持つ多井はベタオリという道も選択できたが、ここではカン七万で追撃のリーチ。これを力強くツモって、リーチ・ツモ・ドラの6000点の加点を決めた。南4局1本場は瑠美の仕掛けに放銃したものの、逆転は許さずトップで終了、今期6勝目を手に入れた。これで多井は今期のレギュラーシーズンで25試合を戦い、ラスはなんと1度きり。個人成績は6位に浮上して、4着回避率のタイトル確定に加え、4期連続の+200以上という金字塔を打ち立てた。
勝利者インタビューで多井はリポーターから「お見事なトップでしたね!」と声をかけられると「お見事でした」と返し、満足げに自画自賛。序盤にチャンス手が空振りし苦しかったものの、南1局の満貫で勢い付くことができたこと、また終盤は個人成績を意識せずに「全員2万点台でラス食うのはちょっとやってないなって思って」と、失点回避に務めていたことを明かした。
記録のかかっていたこの試合、普段は自ら登板を希望することはないが、あえて今日は藤田監督へ出場を直訴しての出場だった。プレッシャーを自らかけ、結果が求められる中での快勝に「ホッとしましたね」と安堵の笑みを浮かべた。
セミファイナルに向け、最高の形でレギュラーシーズンを終えた多井。「我々の最終目標はMリーグ優勝」と、悲願を口にして、インタビューを締めた。キャッチフレーズでもある「最速最強」ぶりを目の当たりにした視聴者からは「多井さん超かっこよかったです!」「たかちゃん最高!!」「たかちゃんおめでとう!」と声援の声が並んだ。
【第1試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・多井隆晴(RMU)3万2700点/+52.7
2着 EX風林火山・二階堂瑠美(連盟)2万4000点/+4.0
3着 赤坂ドリブンズ・丸山奏子(最高位戦)2万3700点/▲16.3
4着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)1万9600点/▲40.4
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)








