ロシア国内でユニクロ50店舗を展開するファーストリテイリング。今週火曜日には「衣服は生活必需品」とし、ロシアでの営業を継続する方針を決めたと報じられていた。
これに対し、ウクライナのコルスンスキー駐日大使はTwitterで「ユニクロは、ズボンやTシャツを持っているという#Russian(ロシア)の基本的なニーズは、生きるための(ウクライナ)の基本的なニーズよりも重要であると判断した。残念だ!」と批判。「ウクライナの人々の生きる権利より、ロシアの人々の衣服を着る権利を優先した」と苦言を呈した。
そうした中、ファーストリテイリングはきのう、「ユニクロのロシア事業の一時停止を決定した」と主張を一転。理由については「現在の紛争を取り巻く状況の変化や営業を継続する上でのさまざまな困難から、事業を一時停止する判断にいたった」と説明している。
このニュースを受け、モスクワ中心部にあるユニクロの店舗には、服を買い求める客の行列ができていた。
『ABEMAヒルズ』コメンテーターでノンフィクションライターの石戸諭氏は「ユニクロはウクライナの難民に対して、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じて衣類を提供していること。この点は非常に良いことで評価すべき」と、ウクライナ侵攻に関するユニクロの対応を称賛した。
一方で、当初のロシアでの営業決定に関しては「評価できない」とコメント。日本企業による“ロシア離れ”が加速している現状を踏まえ、「グローバル企業が歩調を合わせて撤退する中で、ユニクロだけが『歩調を合わせませんよ』という形になってしまった。ロシアの人たちに対しても誤ったメッセージを送りかねなかった。今回の件に関しては『企業としてはロシアの侵攻を支持できない』という姿勢を持っておくべきだったが、決定的に遅かった」と分析する。
海外ではAppleやNIKEなども営業停止措置に踏み切っているが、こうしたグローバル企業の動きに影響はあるのだろうか。これについて、石戸氏は「国際的な経済制裁よりも、まず市民の生活に直結する。例えば、クレジットカードが使えない状況に陥ったときにロシアの国民は困ることは間違いないが、『ロシアが悪いと見ている。だから我々はサービスを停止する』という意思は確実に伝わる。企業の行動がメッセージとして届くので、効果はある。一部かもしれないがロシアの世論に影響を与えることにつながるのでは」との見解を示した。(『ABEMAヒルズ』より)
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