若きエースにベテラン千両役者の争い。トップを目指してどちらも一歩も譲らなかった。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2021-22」セミファイナルシリーズ、3月21日の第2試合、セガサミーフェニックス・近藤誠一（最高位戦）と渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）が同点トップ。し烈なオーラスには、火花が散るようなぶつかり合いが展開され、ファンは大いに盛り上がった。
この試合は松本、近藤、U-NEXT Pirates・石橋伸洋（最高位戦）、EX風林火山・勝又健志（連盟）の並びで開始した。近藤は東2局、中・赤・ドラ3で1万2000点をゲットして大きくリード。対する松本は東4局2本場、終盤に赤2枚の手をテンパイしてリーチ。すでにテンパイしていた勝又からロン、リーチ・平和・赤2の満貫を手に入れた。
両者の凌ぎあいは続く。南1局は近藤が満貫、続く南2局は松本が負けじと満貫のアガリ。それぞれトップを狙い、高打点の手を次々に炸裂させた。南4局を迎えて、点差は松本がわずか1000点差で近藤を追う展開となった。松本はタンヤオ仕掛けでテンパイを果たすが、ドラも赤もなく単独トップには「ツモor近藤から直撃」という条件が付く。親の勝又からアガリ牌が出ると、これにロンをかけ、近藤と松本の同点トップというレアな決着が付いた。
レギュラーシーズン、個人成績で伸び悩み、「一家（チーム）」の大黒柱として「借金」を作ってしまったと嘆く時期もあった近藤。「娘」と呼ぶ3人のチームメイトのために、この初戦は是が非でも取り、エースとしての責任を果たしたかった。そして松本は第1試合で親友の白鳥翔（連盟）がトップを取り、それに続きたい強い思いもあったはずだ。激しい競り合いながら、両者は勝利者インタビューで安堵の表情を見せ、ファンからは「珍しい同点トップ！ 松本プロと近藤プロの1位じゃ～～！！」「面白かったなぁ」「二人でインタビューやな」と、この好勝負を堪能し、楽しんだというコメントが多数書き込まれていた。
勝利者インタビューで近藤は「ホッとした」と語り、同点トップで終えたことを喜び、松本は「嬉しいです！上出来といったところですね」と、オーラスに追い付いた結果に満足げな表情を浮かべた。また近藤は東4局2本場の親満貫を振り返り、難しい待ち選択を的中、価値あるアガリをゲットした結果に「よくやりました！」と自画自賛し、松本は白鳥との連勝でチームが首位、4年連続ファイナル進出が近づいた結果に同じく喜んでいた。
このレアな決着に解説の土田浩翔（最高位戦）は「両チームともこの結果、御の字ですよね」と評し、また＋259.7と大きく首位に立った渋谷ABEMASについては「まだ14戦あるからわからないぞと思いがちなんですが、結構このまま走りやすいですね」と、この松本のトップで早くもファイナル進出は手堅いという想定を語っていた。
【第2試合結果】
1着 渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）4万700点／＋40.7
1着 セガサミーフェニックス・近藤誠一（最高位戦）4万700点／＋40.7
3着 U-NEXT Pirates・石橋伸洋（最高位戦）1万8200点／▲21.8
4着 EX風林火山・勝又健志（連盟）400点／▲59.6
【3月21日終了時点での成績】
1位 渋谷ABEMAS ＋259.7（2/16）
2位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ＋124.5（0/16）
3位 U-NEXT Pirates ＋120.8（2/16）
4位 セガサミーフェニックス ＋114.9（2/16）
5位 KADOKAWAサクラナイツ ＋88.5（0/16）
6位 EX風林火山 ＋41.6（2/16）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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