序盤から大量リード、それでも楽に逃がしてはもらえなかった。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2021-22」セミファイナルシリーズ、3月25日の第1試合、セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)がトップを獲得。開局から一度もトップ目を譲らない逃げ切り勝利でも、ライバルの猛追に苦しんだ内容には反省しきりだった。
この試合の対局者はU-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)、魚谷、渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)の並びで始まった。魚谷は東1局に3900点をアガると、親番を迎えた東2局で10巡目にテンパイ。タンヤオ・平和・赤・ドラの1万2000点をダマテンで松本からアガり、大きなリードを築いた。さらに1本場は今期MVPの瑞原によるリーチとぶつかり合う。中とマンズを仕掛けて終盤にテンパイすると、ホウテイで瑞原からロン。中・ホウテイ・赤・ドラの1万2000点(+300点)をゲットして、早くも点棒は5万点を超えた。
しかし親が2回ずつあるライバルは、このまま簡単に逃がしてはくれない。東2局3本場から魚谷は失点の局が続く。南1局は瑞原の仕掛けに5800点を放銃し、1人浮きは変わらずも、点棒は3万点台まで減ってしまう。
中押しが欲しい南1局1本場、8巡目にドラ2枚、赤もある平和の六・九万待ちをテンパイすると、役ありながらこれをリーチ。瑞原が同巡に追っかけリーチ、一気に場は沸騰するが、決着はすぐに訪れた。魚谷は六万を一発で力強くツモり、リーチ・一発・ツモ・平和・赤・ドラ2の1万2000点(+300点)を入手し、再び断トツ状態となった。オーラスは2600点をアガって自力決着でトップ確定。試合後、一礼すると早々にスタジオを後にしたが、カメラの前を通る際には笑顔になり、両手で小さくガッツポーズも見せた。
インタビューで魚谷は「いやあ、厳しい!自分で作っちゃった厳しさ」と大トップにも苦い顔。「(チーム順位が)上から離れてしまったので、追いかける立場としてはどこかできっかけを作りたかった」と語った。ここまで逆連対が続いていた魚谷だが、調子が上向けば、どこまでもポイントを積み重ねる強さがあることは、一昨年のMVP獲得で証明済だ。
最後は「逆連対が続いていたので、トップが取れて嬉しいです。ファイナル目指して頑張ります!」とファンへ笑顔の報告。これにコメント欄では「良くやった魚谷侑未!」「ゆーみん!ゆーみん!」とエールが連投された。一昨年、ファイナルでは優勝を掴めるリーチまでこぎつけながら、涙の準優勝。その場に置いてきた大きな忘れ物を、力強い泳ぎでマーメイドがチームをけん引し、今度こそ掴みに行く。
【第1試合結果】
1着 セガサミーフェニックス・魚谷侑未(連盟)4万8500点/+68.5
2着 渋谷ABEMAS・松本吉弘(協会)2万7900点/+7.9
3着 KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まり(連盟)2万2800点/▲17.2
4着 U-NEXT Pirates・瑞原明奈(最高位戦)800点/▲59.2
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)







