絶体絶命のピンチで“船長”がやってくれた。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2021-22」セミファイナルシリーズ、4月7日の第2試合でU-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）がセガサミーフェニックス・近藤誠一（最高位戦）とのシーソーゲームを制しトップ。試合後は「だいぶ望みが繋げた」と喜んだ。
第1試合で石橋伸洋（最高位戦）が痛恨のラス。ここで登板を託されたのはやはり“船長”だ。東家から渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）、小林、近藤、KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）の並びで試合は始まった。
小林は東1局、赤1枚を持った手でカン6索待ちの先制リーチ。残り山に2枚という苦しい形だったが、これをツモって4000点のアガリ、快調にスタートを切った。しかしその後は2局連続の放銃、特に東3局は松本のリーチに対して手痛い満貫の放銃となり、ラス目へ落とされてしまった。東4局2本場には6巡目に2・5・8筒待ちで絶好のリーチ。実況の日吉辰哉（連盟）も「この先は宝の山だ！」と興奮してこの模様を伝えた。ファンの期待を背に、小林は8筒をツモ、さらに裏ドラを2枚乗せて、リーチ・ツモ・平和・ドラ・裏ドラ2の1万2000点（＋600点）を手に入れた。
これで再びトップに立った小林、南1局も2000点をアガって、後は逃げ切るのみというところで、同じくファイナル進出へ黄色信号が灯っているチームのエース、近藤の猛反撃を受ける。南3局1本場、近藤が親満貫をツモると、この一撃でトップが逆転されてしまった。
再逆転を期す小林は南3局2本場、發をポン。9筒単騎でテンパイ。しかしラス目の内川がツモれば満貫の手でリーチをかけてきた。これを受けて小林は、手牌を巧みに入れ替え四・七万待ちとなる。さらに親の近藤がタンヤオ・平和・ドラ1で高目は三色同順という超大物手を、内川の現物2・5筒待ちでダマテン。それぞれのチームのファンが声援のコメントを連投し、試合はクライマックスだ。ここでアガリを掴んだのは小林、内川から七万をロンで發・赤・ドラの3900点（＋600点）。南4局を迎えてトップ目に立ち、近藤とわずか300点差だ。南4局、小林は南をポンして得意の速攻、3・6筒のテンパイ。これを松本からアガって1000点、値千金のトップを手に入れた。
勝利者インタビューで小林は「かろうじて望みが繋がって良かった」と語り「途中まではトップラスで、これは結構行けるんじゃね？と思ったら、やっぱりリーチが来た」と近藤との叩き合いを振り返り、その話しぶりには視聴者から「これかなり興奮してるなｗ」「感情でてるｗ」の声もあり、さすがの“ロボ”にも喜色が見てとれた。
セミファイナルで敗退となれば、規定によりチームには選手交代が義務付けられる。負けられない戦いを前に、小林には大仕事が続く。しかしこれまで幾度となく窮地を乗り越え、一昨年は優勝を掴み取った男だ。その土壇場の強さを知るファンは多い。航海を終わらせないために、小林はクールに、時に熱く卓上を見つめる。
【第2試合結果】
1着 U-NEXT Pirates・小林剛（麻将連合）3万4900点／＋54.9
2着 セガサミーフェニックス・近藤誠一（最高位戦）3万3600点／＋13.6
3着 渋谷ABEMAS・松本吉弘（協会）2万3900点／▲16.1
4着 KADOKAWAサクラナイツ・内川幸太郎（連盟）7600点／▲52.4
【4月7日終了時点での成績】
1位 KADOKAWAサクラナイツ ＋248.5（16/16）
2位 KONAMI麻雀格闘倶楽部 ＋192.1（14/16）
3位 渋谷ABEMAS ＋181.7（14/16）
4位 セガサミーフェニックス ＋120.2（16/16）
5位 U-NEXT Pirates ＋76.9（14/16）
6位 EX風林火山 ▲69.4（14/16）
※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ（各16試合）、さらに上位4位がファイナルシリーズ（12試合）に進出し、優勝を争う。
（ABEMA／麻雀チャンネルより）
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