見事な戦いぶりも、勝利は遠かった。プロ麻雀リーグ「朝日新聞Mリーグ2021-22」セミファイナルシリーズ、4月8日の第1試合、逆転のファイナル進出をかけてU-NEXT Pirates・石橋伸洋(最高位戦)が登板するも、奮闘実らずラス。試合後は大粒の涙を流し、これにファンからは大きな声援が飛んだ。
負けたら後がないチームを救うのは“キング”しかいない。その期待を受けて登板した石橋は東1局に満貫をツモ。力を入れてツモり、時に指先を震わせながら必死に戦う石橋に、ファンからは多くのエールが投稿された。しかしその後はメンゼンで思うように手がまとまらず、逆にライバルからのリーチに防戦一方となる局面も多かった。
南3局5本場、石橋はドラ五万を1枚持ったイーシャンテン。さらにもう1枚ドラを持ってきた石橋は守備優先でツモ切り。しかしこの時、EX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)がすでに七対子を五万待ちでテンパイしており、これが痛恨の跳満放銃となった。石橋はここから挽回を狙うも叶わず、ラスのままゲームは終了した。
インタビューに登場した石橋はかすれた声で「情けないです」と一言。その後は言葉にならず、溢れ出す涙をこらえることはできなかった。「まだ条件あるんで、頑張ってほしいです。ごめんなさい。最後まで応援してください、ありがとうございました」とだけ語り、その場を後にした。
これにファンからは「これは泣いてしまうわ、それだけ本気だったんだよ」「インタビューって残酷だな」「もらい泣きしちゃった」とその悲しみに寄り添う声や「ドンマイドンマイ!良かったよ石橋!!」「このプレッシャーでよくやったよ」「バッシー大好きだよ」といった声援も多数書き込まれた。またインタビューを行ったリポーター松本圭世も涙ぐみ、声を詰まらせた。
その後、奇跡を託されたU-NEXT Pirates・小林剛(麻将連合)は3着。チームはここで敗退となり、2度目の優勝という大目標は来期に持ち越された。リーグ規定により来期はメンバーチェンジが義務付けられることから、朝倉康心(最高位戦)と瑞原明奈(最高位戦)を含めた現状の編成で戦うことはもう叶わない。勝負の非情さを浮かび上がらせた一幕に、視聴者はインタビューが終わっても思い思いのコメントを投稿していた。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)