振付師の竹中夏海氏がニュース番組『ABEMAヒルズ』に出演し、“ボディポジティブ”の考え方に言及した。
「職場で女性アイドルと接することが多いが、体型や体重にコンプレックスを抱えている子たちが本当に多い。そこで、彼女たちにどう接したらいいのかと思い、臨床心理士に話を聞いた。まず考え方として、体重や体型は人が生まれながらにして持っている顔立ちや身長と同じように、遺伝子の限界がある。『“努力次第でコントロールするには限界がある”と知ることが大切だ』と臨床心理士が話していた。顔立ちや身長には限界があるとわかっているはずなのに、体型や体重は“努力次第(で変わるもの)”と、どこかで思っているところがある。だから、痩せられないと『自分がいけない』と思ってしまい、それが悩むきっかけになる。作者も言っていたが、自分の努力不足ではなく、遺伝子的な限界がそれぞれにあって、基準も全然違うということを知るのが大切だと思う」
同番組では、作者・haraさんの実体験を描いた漫画『自分サイズでいこう 私なりのボディポジティブ』(出版:KADOKAWA)を紹介。当時、haraさんも悩んでいた「摂食障害」は、食事の量や食べ方などに異常が続き、体重や体型の捉え方などを中心に心と体の両方に影響が及ぶ病気のことだ。日本の摂食障害の患者数は推定22万人いると言われている。
特に10~20代の摂食障害が多い現状を踏まえ、竹中氏は次のように分析する。
「アイドル業界では、2010年代に『アイドル体重』という言葉が出てきた。それによって苦しめられている子は多いと思う。例えば、10代の思春期真っ只中の子に公開体重測定をして、アイドル体重をクリアできなければメジャーデビューの契約をしないといったことは、大人は演出の1つとしているかもしれないが、やられた方は堪ったものではない。そうした過酷な体験をきっかけに摂食障害になったり、吐く癖がついたりする子もいる」
これを受けて、元SKE48でフリーアナウンサーの柴田阿弥は「私のいたSKE48では公開体重測定のようなものはなかったが、“吐く癖がつく”という点では心当たりがある」と共感し、自身の体験談を語った。
「アイドルの頃ではないが、上京して2年目くらいに1年目の疲れがバッと出てしまった。元々食べてストレスを解消することがあったが、リミットが外れてしまったのか、吐くまで食べることが月に1回くらいあった。それが段々2週間に1回、1週間に1回、毎日と期間が短くなり、1年ほど続いた。その結果、逆流性食道炎になってしまい、気持ちが悪くて眠れず余計にメンタルが弱くなり、また食べて吐くといったことをずっと繰り返していた。ただ、幸いにもかかりつけの皮膚科医が(柴田アナの)まぶたが切れているのを見て、吐いていることに気づいてくれた。それをきっかけに(吐くまで食べることを)やめられた」
最後に、柴田アナは自身の体験を踏まえて「きっと周りの人は気づかなかっただろうし、当時自分が吐くことを辛いともあまり思っていなかった」とコメント。続けて「見た目に関する部分ではないところで吐くようになってしまったので、誰もが摂食障害になる可能性があると知ってほしい」と訴えた。(『ABEMAヒルズ』より)
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