将棋のヒューリック杯棋聖戦の挑戦者決定戦が4月25日に行われ、永瀬拓矢王座(29)が渡辺明名人(棋王、38)に勝利、藤井聡太棋聖(竜王、王位、叡王、王将、19)への挑戦権を獲得した。永瀬王座の棋聖挑戦は2016年度以来2度目で、藤井棋聖とは初のタイトル戦。研究パートナーでもある2人が、ついにタイトルをかけた番勝負でぶつかることになった。
【中継】ヒューリック杯棋聖戦挑戦者決定戦 渡辺明名人 対 永瀬拓矢王座
渡辺名人と永瀬王座というタイトルホルダー同士の挑戦者決定戦は、渡辺名人が先手番から矢倉を選択。永瀬王座は雁木に構え、しっかりと陣形を整えあってからの戦いとなった。道中、渡辺名人は矢倉から穴熊に囲い直すほど持久戦の進行になったが、永瀬王座の方から積極的に仕掛けて、対局がペースアップ。さらに永瀬王座は攻めながらするすると自玉を上部へと逃し、得意の入玉へと持ち込んだ。
「負けない将棋」が信条の永瀬王座だけに、入玉で絶対的な安全度を確保すると、最終盤の勝負は、渡辺名人も入玉を果たし点数勝負、さらには持将棋に持ち込めるかというものになったが、穴熊からの入玉という道のりも遠く、永瀬王座が落ち着いて勝利を収めた。
永瀬王座と藤井棋聖はこれまで挑戦者決定戦での対戦が多かったものの、タイトル戦でぶつかるのは今回が初。藤井棋聖がプロ入りして間もないころに永瀬王座から声をかけ、VS(1対1の練習対局)も数多くこなす研究パートナーで、対戦成績は藤井棋聖の7勝3敗。手の内を知り尽くした2人の番勝負は、どんな新手の応酬になるか。
(ABEMA/将棋チャンネルより)