IXT（現インテージ）が2021年4月に日本全国約6000名に対して行ったアンケート調査によると、全国でおよそ3人に1人が「スマートテレビ」を持っているという。
【映像】こんなに違う！ テレビリモコンの変遷（比較画像あり）※8：40ごろ
スマートテレビの定義について、株式会社インテージ事業開発本部アナリストの林田涼氏は「テレビから直接インターネットに繋げるもの。スマートテレビはテレビの放送以外のコンテンツを見ることができるので、リモコンのボタンを押しただけでYouTubeやNetflixなどが見られる。そういったものを弊社ではスマートテレビと呼んでいる」と話す。
スマートテレビでは、地上波の放送に加え、難しい設定もなく大画面でYouTube、Netflixなどのネット動画のメディアも見られる。もちろんネットに繋がっているため、InstagramやTwitterなどのSNS利用も可能だ。
ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した、ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「地上波を若者が見なくなって、テレビ局がどんどん衰退しているのはNHKのせいだと思っている」とコメント。
「結局テレビを買ったときに毎月2000円程度（※衛星契約の場合）、死ぬまでずっと払い続けなければいけない。毎月2000円、必ずNHKに払うのが嫌だから要らない。でも、みんなYouTubeで見て、Twitterでテレビ番組の話題をする。なので、テレビ局の衰退はテレビを買ったらNHKに毎月2000円を払わなければいけないシステムのせいだと思う。『NHKを潰そう』と民放の方から言ったほうがいい」
リモコンも仕様が変わってきている。スマートテレビの中には、テンキーがついていないリモコンもある。ITジャーナリストの神田敏晶氏は「テレビはもう2040年にはなくなっていると思う」と話す。
「僕は60歳になるが、60代以上の人が『テレビ大好き』と言ってもこれからの人生はあと30年しかない。ということは、今のテレビは勝手になくなっていく。本当にテレビはこれから10年が勝負で、10年の間でどれだけネットと親和性を高められるかが生き残りにかかっている。今は1人で1個の番組じゃなくて、マルチデバイスで渋谷のスクランブル交差点の雑踏の中で情報を浴びるようになっているのが当たり前になっている。もう、1個のリモコンで操作するなんて時代遅れだ。みんなスマホで見たいものを1発で飛ばして見ている」
番組の中で神田氏は「テレビが一番邪魔しているものは何かというと、編成だと思う。編成があることによってテレビの自由度が全部固められている。見たいものがあるにも関わらず編成が邪魔している」とコメント。
ここで番組司会のテレビ朝日・平石アナウンサーは「編成はテレビにおいて中枢も中枢だ。デパートの中でどこに何を配置するかを決めているようなものだ」と発言。
ドイツ出身のラジオDJ、ナレーターのサッシャ氏は「昔のコンテンツと今のコンテンツに差がなくなって“お店”があまり見られなくなっているのでは」と指摘。「昔のドリフターズの映像を見ると、うちの子どもたちも笑う。だから今の子どもたちにとって、今のお笑い番組と昔の番組に差がない。より面白ければその番組を見るというだけだ」と述べた。
前述の林田氏も「確かにテレビはどうしても番組表があるので、そこからはみ出せない」と話す。その上で「今、アメリカでは、配信でも番組表があるサービスが注目されている。要はYouTubeやNetflixなど、さまざまなコンテンツがあるが、その中から自分の好きなものを探すことも結構、大変だ。しっかり見たいときはいいが、もうちょっと気楽に見たいという時にわざわざ探すのがめんどくさいから『番組表から選べばいいや』みたいな形で選ぶ人もいるのかなと思う」と語った。
ここでひろゆき氏は「林田さんにお聞きしたい。スマートテレビが普及する理由として、テレビのリモコンにAmazonプライム・ビデオやNetflixなどボタンを付けるとメーカーがお金をもらえる。そうなっちゃうと普通のテレビも『メーカーが損するから作らないよね』とスマートテレビだけになっちゃう気がしている。これはもう止められない流れだろうか」と質問。
林田氏は「それに関してはこれだけスマートテレビが普及しているし、ユーザーもメリットを感じている。いわゆるテレビ放送以外のコンテンツを見る時間が増えていると思う。それが今から逆行するはちょっと考えにくい」と回答。今後もスマートテレビが増えていく可能性を示唆した。
普及が進むスマートテレビと「これからの10年が勝負」といわれる地上波テレビ。今後どのように変化していくのか注目が集まっている。（「ABEMA Prime」より）
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