顔面への前蹴りからボディを鋭くエグる強烈なスピンキックで相手を戦闘不能に。かつて伝説のK-1ファイターが見せた戦慄のスピンキックそっくりなシチュエーションに視聴者からは「まるでステファン・レコだ!」と驚くの反応が続出した。
4月30日に後楽園ホールで開催された「Krush.136」。藤村大輔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と森田奈男樹(エイワスポーツジム)の対戦は2ラウンド開始直後に森田が前蹴りで最初のダウンを奪うと、再開後にとどめの回し蹴りをレバーにたたき込んで藤村を悶絶KO。プロ2戦連続でド派手なKO勝利と圧倒的な強さを見せつけた。
フルコンタクト空手出身の森田は、プロ2戦2勝。前回の試合では戦慄の左ハイで112秒KO勝利を収めている。対する藤村は1年8カ月ぶりのKrush参戦。筋骨隆々の肉体が魅力の中量級の常連選手だ。
1ラウンド、次々とミドルキックを飛ばす森田。一方の藤村も大きなフレームを活かして圧力をかけていく。足を使いながら前蹴り、ロー、ミドルと多彩な蹴りを繰り出す森田に対して、じわじわと歩み寄りコンパクトなパンチを当てる藤村。ラウンド終了間際には森田の右に藤村がよろめく場面もあったが、ここはゴングに救われた。
2ラウンド、ゴングともに森田が奥足へのローから顔面への前蹴りを矢継ぎ早にたたき込んで藤村からダウンを奪う。すぐに立ち上がった藤村だが、ロー、ミドル、前蹴りと三種の蹴りを見せる森田の攻撃を嫌がる素振りも。前に出て左右のパンチを放つなど、懸命の反撃に出た藤村だったが、そこに森田の狙いすました後ろ回し蹴りが炸裂した。
”バキっ”と肉をエグるような音とともにレバーを的確に捉えた一撃。藤村は脇腹をかばいながら沈むように足をついてダウン。なんとか身体を起こし立ち上がろうとするも、ダメージは大きくローブ際でうつむきながら沈黙。ここでレフェリーが戦闘不能と判断してゴングを要求した。
リプレイ映像では、ハイキックかミドルの動きを予測しガードを固めた藤村のガラ空きになったボディを目掛けて強烈なスピンキック。圧巻の悶絶KOに試合を中継したABEMAの放送席からは「見事にレバーに刺さった」と驚きのコメントが。さらに視聴者からは「ガードを回り込んでえぐった」「凄いテクニック」など驚きの声が。中には「まるでステファン・レコだ!」と伝説のK−1ファイターの一人であるレコが、かつてカーター・ウィリアムス戦で見せた回し蹴りを思い出したという声まで聞かれた。
勝利後、森田は空手家らしく背筋を伸ばし、四方の観客に向かって深々とお辞儀。マイクでは対戦相手への敬意や関係者への感謝のコメント。加えて、日頃お世話になっているという知人の誕生日祝いの言葉まで飛び出すなど人柄を滲ませると「応援したいキャラ」「名前を覚えておこう」といった反応も。強くて生真面目なキャラで、多くのファンの心を掴んだようだった。