やんちゃな末っ子キャラ全開の菅井竜也八段（30）が将棋ファンの心がわしづかみにした。第5回大会の放送が開始されている早指し団体戦「ABEMAトーナメント」予選Bリーグ2回戦の放送を前に菅井八段、久保利明九段（46）、佐藤和俊七段（43）の3人が、団結力を高めるためのチーム動画の収録に参加。クルクルと表情を変えながらゲームを楽しむ様子に、ファンから「かわいいが渋滞してる」「これは沼入り不可避」の声が飛んだ。
泣く子も黙るA級八段。対局中には周囲を焼き尽くすほどの闘志をみなぎらせて盤上を支配する、振り飛車党の第一人者だ。2017年には、自身初のタイトル挑戦となった第58期王位戦で6連覇中の羽生善治王位（当時）を破り、平成生まれの棋士として初めてのタイトルホルダーに。2021年度は銀河戦、朝日杯と2つの一般棋戦を制覇。2022年3月に行われた第80期順位戦A級最終一斉対局では、豊島将之九段（32）戦で終局が翌日午前3時18分と千日手指し直しの死闘を繰り広げたことも記憶に新しい。第4回ABEMAトーナメントでは個人で10勝3敗の高勝率を叩き出して自軍をベスト4へと導いた事績があるだけに、第5回大会優勝候補の最有力とも目されている。
第5回大会では、前々大会でリーダーを務めた久保九段とABEMAトーナメント初参戦となる佐藤七段を指名。全15チーム唯一の生粋の振り飛車党チームを作り、「将棋ファンの方は振り飛車が好きな方が多い。振り飛車で勝つ姿を一人でも多くのファンに見てもらい」と熱い思いを語った。チーム動画では障害物をクリアしながらカップを狙う「バーンゴルフ」に挑戦。対局では眉間に深いしわを寄せて盤をにらむ姿から一転、自らのショットに「天才！」と自画自賛して喜びを爆発させるなど、表情豊かにゲームを楽しんだ。
今回は最下位者に激苦ノニジュースの罰ゲームが用意されているとあり、3者とも一打のゆくえに一喜一憂。最終9番ホールでは菅井八段が奇跡のホールインワンで逆転優勝かと思われたが、1位は佐藤七段の手へ。ゴルフ経験者の久保九段が2位、奮闘むなしく最下位となった菅井八段がノニジュース一気飲みの罰ゲームに挑むことになった。これに菅井八段は「全国100万人の菅井ファンからクレームが来ますよ！」と絶叫。先輩棋士2人は保護者のような温かな視線で菅井リーダーを見守っていた。
過去には日本将棋連盟刊行の「将棋年鑑（2018年版）」アンケートで、「何人兄弟の何番目？」の問いに「3人兄弟の3番目、船江・稲葉・菅井です」と回答した菅井八段。井上慶太八段門下の兄弟子の名前を挙げるなどファンサービスにも心を配る。同じ関西所属で修行時代からの目標で付き合いの長い久保九段と、柔らかな雰囲気の佐藤七段をチームメイトとしたことで、菅井八段の“末っ子キャラ”の魅力は全開。ファンからは「これが本物のギャップ萌え」「菅井先生を前にするとみんなお兄ちゃんになっちゃうのか…」「強くてかわいいってズルいです」「沼、入っちゃっていいですか」と魅了された声が多く上げられていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
