強さこそが存在意義 期待値集団・赤坂ドリブンズ、来期こそ2度目の戴冠へ「やっぱり強いんだと再び思ってもらいたい」/麻雀・Mリーグ
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 エンタメ性について語られることが多いプロ麻雀リーグ「Mリーグ」において、ひたむきに期待値を追いかけ、初代王者に輝いたのが赤坂ドリブンズだ。ただ2021-22シーズンは、チームとして2度目となるレギュラーシーズン敗退。リーグ2年目と4年目、1年置きに厳しい結果を突きつけられている。優勝したKADOKAWAサクラナイツが3年連続、3位の渋谷ABEMASが4年連続でファイナルシリーズ進出をした中、“期待値集団”としては、他チームを結果で圧倒することこそが存在意義だ。チームの勝ち頭だった鈴木たろう(最高位戦)も「やっぱり強いんだと再び思ってもらいたい」と言葉に力を込めた。

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 2020-21シーズンはファイナルに進み4位。今期も園田賢、村上淳、鈴木たろう、丸山奏子(いずれも最高位戦)という4人体制で3シーズン目を迎えると、成長が感じられた丸山が自身初となるプラスでレギュラーシーズンを終了。ただ、村上が開幕直後から連続して箱ラスを食らうまさかの事態に見舞われ、チーム全体もなかなか上昇気流に乗り切れなかった。セミファイナルシリーズへの進出争いも、しぶとく粘りはしたものの、最後は突き放された。初代チャンピオンチームも、来期はゼロからの再スタートだ。

――今期の振り返りをお願いします。

 鈴木たろう(最高位戦) 今期は一時、3位ぐらいまで行って、行けそうだなと思っていたんですけど、思った以上にポイントが伸びて行かず「なんとかなるんじゃないか」と思いつつ、だらだらと行ってしまいました。来期以降、修正点があれば探して、なんとかしたいと思っています。

――手応えのある時期もあったと思います。

 鈴木たろう あったつもりではあったんですが、結果がついてこなかったです。ドリブンズのチームカラー上、結果を残さないとしょうがないところがある。ファイナルを見ていても、そこにいない悔しさを感じたので、来期こそは必ず、セミファイナル、ファイナルに行きたいなと思います。

――園田さんは、まさに「なんなん?」という苦しい展開もありました。

 園田賢(最高位戦) そんなに悪くはないんですけど、どうしても勝負どころでまくられてしまうとか、手が入らないとか、そういう展開が多かった気がします。

――試合後のインタビューはファンに好評でした。

 園田賢 僕らは麻雀をドライに考えていて、正しくないことはあまり言いたくない。「相手が強かったです」ではなく、麻雀は運の要素がすごくあって、相手がすごく下手をした時でもトップを取ったこともあります。そういうのを統計学的に捉えている部分があって「負けました、自分が弱かったです」ではなく、弱かったから負けたわけじゃないし、この(残り牌が)1対3のめくり合いに負けたから負けちゃっただけであって、みたいなのがあるんです。そういうのをしゃべるのはエンタメ向きじゃないなと思っていました。そうしたらやっぱり麻雀のことをたくさんしゃべるしか、できることがない。僕は麻雀で「必ず勝ちます」というのはウソじゃんというか、そんなこと言うなら、何かあった時にどうしてくれるんですかと思っちゃうし、自分の中のアンサーとして麻雀のことを語り続けるというのが、ああいう形になったのかなと思います。

――丸山さんは今期、初めてプラスでシーズンを終えました。

 丸山奏子(最高位戦) 1年目、2年目が▲100ぐらいの結果でレギュラーシーズンを終えていたので、小さな目標かもしれないですけど、せめてプラスで終えるということを自分の中で1年間やってきました。まずはそこを達成できたのはうれしい部分ですが、セミファイナル、ファイナルと他のチームが試合をしているのを家で見たりして、そこにドリブンズがいないのは寂しいな、悲しいな、悔しいなという思いがあったので、来年こそはファイナルまで行きたいという気持ちでいっぱいになりました。

――リーグ3年目にして自身の成長を感じられたところはありますか。

 丸山奏子 気持ちの面でも、試合が来るのが楽しみという思いがすごく強くあったシーズンで「楽しい気持ちで頑張るぞ、トップ取るぞ」と試合に前向きだったのは、今までのシーズンと大きな差があると実感しています。麻雀の内容もまだまだ未熟な部分はあるんですけど、前は見えていなかった部分、気づけていなかった部分に気づけることが増えたので、自信につながっています。

――村上さんは開幕直後から、まさかの連続箱ラスに見舞われました。

 村上淳(最高位戦) とにかく悔しい1年でした。最初の7試合くらいで400ぐらい負けちゃって。このマイナスが祟って、ドリブンズがセミファイナルに行けなかったら嫌だなと思っていたら、そのとおりになってしまったので、とにかく悔しいし情けない。ファンの方にもチームメイトにも関係者にも、本当にすいませんという一年でした。

――来期はどう立て直していきますか。

 村上淳 始まる前に、実は(MVP取りますと)言ってしまったがゆえに、いきなり4回飛んだのかなと。やっぱり傲慢な発言はよくないと思うんですが、それぐらいやらないと。うちは勝つこと、麻雀の内容がファンサービスと1年目から言っています。内容がよくてもマイナスということもありますが、少なくとも麻雀を勝たないと認められないチームだなと思っているので、イコール勝つしかないじゃんと思っています。そう思っても勝つもんじゃないよねと思っていますが、こういう囲み取材だったら、勝つと言うしかないですね。死ぬほど勝ちたいです。

――監督から今期の振り返りをお願いします。

 越山剛監督 今期は選手が言った通り残念な結果ですし、やるべき努力をしなくてとか、発揮できる能力を発揮できなくて負けたとも思えない。とはいえ、麻雀のゲーム性とかに逃げていてもいいのかと。そういうジレンマもあるし、麻雀を改めて難しいなと気づかされたシーズンでした。監督ができることは、いかにして選手を送り出すかしかなくて、みんな勝ってくれと思って出しているだけです。来年も選手たちがどう思っているかも含めて、契約はお互いの意思が合致してのものでこれからなんですけど、基本的にはこの4人で迎えると思っています。今年届かなかった結果、優勝に届けばいいなと思います。

――来期は2度目の優勝を目指すことになります。

 鈴木たろう ファイナルのチームを見た時に(KONAMI麻雀格闘倶楽部)滝沢さんだけ2回目の優勝のチャンスがあったんです。タッキーは好きなんで勝ってほしいんですけど、内心ちょっと「他のチームの優勝がいいかな」というのはありました(笑)。そういう気持ちもあるんで、リーグで最初の2度目の優勝はドリブンズが取りたいな、という気持ちは強いです。Mリーグが始まって、発足時はドリブンズがめちゃくちゃ強いチームと思われていたかもしれないんですけど、今はたぶんその意識、見方が薄れてきていると感じているので、やっぱり強いんだと再び思ってもらえるように、気づいていない人にもそう思ってもらえるように、来期は勝ちたいなと思います。

 各チームがいろいろな形でパフォーマンスをする中で、とにかく「麻雀」という競技の魅力を最大限に伝えることに全力を尽くすドリブンズ。これまで以上に競技としての認知度、地位が向上すればドリブンズの見せる好プレーに胸を踊らせるファンはもっと増える。そのためにも来期、必要なのは結果だ。

※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会

◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)

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【動画】Mリーグ2021-22シーズン最終日ダイジェスト
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