村上淳「本当に麻雀プロでよかった」悔しさとうれしさが同居した“地獄の4連続箱ラス”の先にあったもの/麻雀・Mリーグ
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 4試合連続で箱を割るラス。プロ麻雀リーグ「Mリーグ」史上初だが、プロ麻雀界で行われている多くの公式戦を見渡しても、これほどの惨事に見舞われた選手はいないかもしれない。赤坂ドリブンズ・村上淳(最高位戦)は、確実な理論に裏打ちされた雀力を誇り、また「リーチ超人」と呼ばれるように積極的なリーチをかけ、しかも誰にでも聞こえる発声で知られる名選手。ただ、その大きな声で「はい」と点棒を払い続けるのは実に辛かったことだろう。それだけに悲運の連敗中にかけられた言葉のありがたさを感じ、「本当に麻雀プロでよかった」という言葉が心の底から出てきた。

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 開幕から間もない10月15日から、村上の悪夢は始まった。最終盤に親かぶりの失点で箱下のラスを引くと、3日後の18日にまたも箱を割るラス。25日には3連続箱ラス。そして月が変わった11月1日には、ついに4連続で箱下のラスを引いた。道中、実況を務めた日吉辰哉(連盟)からも「こんな地獄みたいな話、あります!?あってはならない!」「もう嫌!何度目ですか、このシーン!」と絶叫が飛び続けた。開幕からわずか5戦で、個人のマイナスポイントが300を超えた。

 チームメイトの3人が稼いだポイントを全て台無しにしてしまうほどに絶不調。それでも、これを責める仲間は一人もいない。鈴木たろう(最高位戦)は「本人が一番わかっているから、いつも通り振る舞おうかなと。同情されるのは悔しいと思う」と、態度を変えなかった。また園田賢(最高位戦)は「1カ月、下振れが来たからといって、人にできることは何もない。ドリブンズはみんなわかっているし、麻雀に関してはお互い認め合っている。誰かがこういう結果になっても『お前、もっとちゃんとやれよ』というのは、あるわけがない。それはただ、牌の巡りが悪かった。確率の偏りという感じで片付けている」と、強く語った。

 苦しみ抜いた村上に、ついに光が差し込んだのは11月9日。ついに地獄のラストンネルを抜け、しかもトップを取った。試合後のインタビューは5試合連続。4連続ラスの時も真摯に受け答えしていたが、ようやく笑顔で話せた。「4連続トビという誰も破れない記録をやってしまった。その間、先輩、後輩、ファンの方、みんな温かくて、4トビの精神状態ではなかったです。本当に麻雀プロやっていてよかったなと思いました」。話しているうちに、どんどん顔が涙でくしゃくしゃになった。チームメイトだけでなく対戦チームのライバル、さらには普段はあまり連絡を取らない大先輩からも激励の言葉が来た。支えてもらったことを思い出し、また泣いた。

村上淳「本当に麻雀プロでよかった」悔しさとうれしさが同居した“地獄の4連続箱ラス”の先にあったもの/麻雀・Mリーグ

 チームはレギュラーシーズンを▲263.8、7位に終わり、セミファイナルシリーズ進出を2年ぶりに逃した。勝負にタラレバは禁物だが、村上の▲384.1が結果的には大きな要因にもなった。これもまた、誰に言われるまでもなく村上自身が一番責任を感じている。「後半ずっと(チームが)マイナスでドリブンズが苦しんだのは、ほぼ僕のポイントのせい。結局最後までチームを苦しめてしまった気持ちがでかい。悔しい以外の言葉が見つからないです」と、まっすぐな性格の通り、そのまま悔しさを表に出した。

 地獄のような連敗の中で、人の温かさを感じ涙した。その借りを返すには1シーズンでは足りなかった。「(来シーズンは)圧勝するしかない。スタートからドリブンズみんなで勝ちまくって、影を踏ませぬぐらいの圧倒的な優勝を目指したいです」。感謝と決意の言葉は言い尽くした。あとはもう、結果で恩返しをするだけだ。

※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会

◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
ABEMA/麻雀チャンネルより)

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