何か違うものが見えた4年連続3位 渋谷ABEMAS・多井隆晴「10年間、このメンバーでやるつもり」仲間への絶大なる信頼/麻雀・Mリーグ
番組をみる »

 プロ麻雀リーグ「Mリーグ」発足から4年連続ファイナルシリーズ進出。渋谷ABEMASだけが成し遂げている快挙だ。ただ、ファイナルの結果も4年連続3位。その安定した強さは誰もが認めるところだが、どうしても優勝シャーレに手が届かない。昨期の最終盤はエース多井隆晴(RMU)が5連投するも届かず、大号泣した。今年も最終戦は多井が務め、またも3位でフィニッシュ。ただ今年は涙もなく、むしろチーム全体として1つ上のステージに立ったという達成感すら覚えていた。

【動画】Mリーグ全8チームの密着ドキュメント

 4人で勝ち取った4年連続ファイナル。多井、多井と出場が続いた昨期と異なり、今期は各メンバーがそれぞれの役割を果たし、最後まで優勝争いに食らいついた。もう「絶対的エース」に依存するチームではない。成長と成熟が合わさったことが、4年連続の3位でも意味合いが違うことを実感した。

――惜しくも4年連続3位に終わりました。今期の振り返りをお願いします。

 白鳥翔(連盟) 去年は(多井)隆晴が最後の方、5連投しました。最終日に関して言うと、正直出るのが怖いと去年は思っていたんですけど、今年は早く打たせろという感じでした。全然「来てもらったら打ちます」という気持ちでいられたので、すごく去年までとは全く違った感じで迎えた最終日だったかなと思います。

――ご自身でも成長が感じられましたか。

 白鳥翔 それだけの準備をしてきて、結果もそこそこ出ていたのもありますけど、内容に関して振り返ってみると、ピントが去年までとは違って合っているなというのがありました。今期はいけるなという感じで精神状態もよく臨むことが全試合できていたので、恐怖心が全くなくなりました。

――日向さんは苦しいレギュラーシーズンでした。

 日向藍子(最高位戦) レギュラーシーズンはスタートから8連続逆連対だったのかなと。かなりきつかったんですけど、内容を振り返ると去年や一昨年はたまたまプラスだっただけで、その時よりも自分でいいなと思っていたので、そんなに引きずることが案外なかったです。3人からも誰かしらがつらい時に支え合うのがチームメイトだからと言ってもらっていたのと、▲300くらいならマイナスでも全然大丈夫、100ずつ勝ってチャラにしてやるよと、ずっと声をかけてもらったのが、変に引き気味になりすぎずに戦い抜けたのかなと思います。ずぶずぶいっていると、300ぐらい平気で行っちゃうルールなんですが、最後はこらえられたというのがレギュラーシーズンでしたね。

 セミファイナルからは、私は結構ギアを変えるタイプで、結構降りたがりで安定志向なのを、セミファイナルとファイナルはかなり、あからさまに違う人間になっているくらいに変えていました。それがたまたまうまくはまったなというのもあるんですが、集中して打てて、たまたまトップも取れて、ポイントを持ち帰れました。

――松本さんは今年も成長が見られたシーズンだったかと思います。

 松本吉弘(協会) 去年の敗戦は多井さんに全てを託して、悪い言い方をすれば指をくわえて見てただけで応援するしかできなかったというのが、僕ら3人にはかなり大きな影響を与えて、今年にかける思いというのはすごく強かったです。4年目で今までと違かったのは、レギュラーシーズンとかセミファイナルは余裕というか、ポイントもそんなに追い詰められることもなかったんですが、今年は全部追い詰められながら各シーズンを過ごしてきました。それがかなりよかったシーズンだったかなと思います。接戦の中で生まれる強さも身につけられた一年だったし、チームとしてさらに完成された一年だったかなと思います。

 個人としては、僕も打つのは好きなんで「出たい!バチコイ!」って思うんですけど、行って全然怖くないという気持ちはありました。押せるか押せないかみたいな牌は全部押しましたし、行けるか行けないかの選択も落ち着いてできたのかなと思います。今回は4人が各シーズンで、レギュラーシーズンで稼ぐ人、セミファイナル、ファイナルで稼ぐ人、みんないました。僕はポストシーズンで2着とか3着とかで耐えて、他の人が爆発してくれるみたいな局面が多かったです。みんな安心してシーズンを過ごせたかなと思います。ただ3位という結果は、去年の結果を受けての3位なんで、めちゃくちゃ悔しいです。去年の3位とは外から見たら一緒かもしれないけど、僕らの中では全員が違う3位、収穫のある3位、納得のいく3位だったと思います。悔しい気持ちが先行して、うまくまとめられないですけど。絶対に何かを得られたシーズンだったかなと思います。

――多井さんからもリーダーとして今期の振り返りをお願いします。

 多井隆晴(RMU) レギュラーシーズンに関しては、うちは毎年プラスしています。そういう打ち方をしているのと、雀力が高いので長いスパンで長い回数打たせてもらえれば、うちが負けることはないだろうと正直思っています。ただこのレギュレーションは、セミファイナルでポイントが半分になって、ファイナルでまた半分になる。最後の勝負どころで結局それだけトップ取れるか、ファイナル12回中5、6回トップ取れるか。それはもうわかっていることなので、我々の中で優勝のために打ってきたつもりです。レギュラーシーズンも今後も打ち方は変えるつもりはないです。ファイナルに関しても4年目にして、僕が毎年最終戦打っているんですけど、これをアガったら優勝するだろうというのが、僕の中では正直2つ、3つありました。これさえアガれればという、本当にあと一歩で優勝が見えていたので。セガサミーさんも掴みかけていたなっていう思いはあるんでしょうけど、僕としてもこれをアガれていれば優勝っていう瞬間があったので。なので、少し形が見えたという感じでいます。

 ただ、やっぱり何かを変えるというよりは、我々4人が少しずつ、それぞれの技術だったり知識だったり底上げをしていって、今チームの雰囲気がすごく最高です。Mリーグはチーム戦なんですよ。麻雀って1戦1戦出ているから「個人戦の延長でしょ」って思っている人もたくさんいるかもしれないし、そういうプレイヤーもいるかもしれないんですけど、全然違うんですよ。トップクラスにいると言われている僕が抜けて、全然弱い人が入ると突然優勝するとか、そんなこともあると思っているんです。チーム力、チームの雰囲気、チームワーク。野球でもサッカーでも、すごくうまい選手を入れたからって弱くなることも多々あると思うんです。

 我々は今の4人が最高だと思っていて、誰が欠けてもダメだなと思っています。10年間、このチームでやるつもりですし、要は最低でも5回は決勝に残るっていうことです。チームメンバーの入れ替えのレギュレーションに引っかからないように、目標は絶対に4位に残ること。ファイナルでは優勝したいなっていう感じで、僕の中では次が始まっています。メンバーを見ても誰か1人調子が悪くても4人足せばプラスになるんじゃないかなと思っています。来年もファイナルに残って、今度は優勝したいですね。

 レギュラーシーズンからファイナルまで、全て戦うと118試合。好不調の並に左右されず、安定してポイントを稼ぎ続けるためには、チーム4人を足し上げた総合力が必要だ。急激でなくても戦う度に強くなる。だからマークされても、またファイナルにいる。5年連続ファイナル進出を果たした時、そろそろ麻雀の神様も最高のご褒美を持って、ABEMASのもとに降りてくる。

※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会

◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)

【動画】Mリーグ全8チームの密着ドキュメント
【動画】Mリーグ全8チームの密着ドキュメント
【動画】Mリーグ2021-22シーズン最終日ダイジェスト
【動画】Mリーグ2021-22シーズン最終日ダイジェスト