<大相撲五月場所>◇十日目◇17日◇東京・両国国技館
前頭十一枚目・碧山(春日野)と前頭十六枚目・翠富士(伊勢ヶ濱)の取組直前、元横綱・白鵬の間垣親方が「双葉山の精神は理解できない」と、歴代最多である69勝の連勝記録を誇る昭和の大横綱である第35代横綱・双葉山について思いを語り、改めてその偉大さに感嘆する一幕があった。
一つ前の取組で前頭十二枚目・妙義龍(境川)が押し出しで5勝目を挙げると「妙義龍が上位に上がってきたときに、それなりに私も苦しめられました」と自身の現役時代を振り返った間垣親方。続けて「以前、双葉山関の“後の先”を意識して立ったときもありまして。そのときに妙義龍に負けて、そこから“後の先”はやめましたね」と苦笑いを浮かべつつ、双葉山が得意としたいわゆる“後の先”の立ち合いをしなくなったきっかけが妙義龍との取組だったと明かした。
さらに間垣親方は「大鵬さんの32回優勝という記録が(目標として)ありましたから。双葉山関の69連勝という記録は達成できなかったんですけど、こうやって(後の先で)受けてる場合じゃないなと。攻めて攻めないと大鵬さんの32回優勝にはたどり着けないんじゃないかと。だから攻める一方で耐えていくという意識を固めて取り組んでいきましたね」と大記録達成に向けた自身の取り口について説明した。
また、同じくABEMAで実況を務めた藤井康生アナウンサーが「双葉山関は現役の頃、相手が1回目で仕切りを立ってきても堂々と受けた」と口にすると、間垣親方は「そうです。その精神は私には理解できませんね」と感嘆するようにポツリ。その理由については「当時は10日、15日間というのもあったと思いますし、(双葉山は)全てそもそもで受けて立ったわけですから。私は15日間を通して2~3回ぐらいですからね」と語った。すると、藤井アナは「理解できないというより、ものすごいことをやっていたんだな、ということですね?」と切り返すと、間垣親方は「はい」と応じた。
その後の取組で翠富士がつっかけて立ち合い不成立となると、藤井アナは「今、双葉山の話をしましたが、仕切りは1回目で立ってもいいんです。今はもう時間が来るまでに立つ力士がいなくなりました。制限時間必ずいっぱいになります。いっぱいになってそこからまだ待ったというところで、本来の待ったできない状況です」と解説を加えた。
2回目の立ち合いは成立し、突っ込んで来る碧山を受け止めた翠富士は、素早く右からの肩透かしを鮮やかに決め、6勝目となる勝ち星を挙げた。敗れた碧山は3敗目を喫した。
取組終了後、自身と同じ伊勢ヶ濱一門の力士である翠富士について、間垣親方は「左右で肩透かしができるというのは素晴らしいですね」と称賛。続けて「(肩透かしをやろうと思えば)できますけど、例えば僕の場合は上手投げが得意ですから。左上手投げはできるけど右上手投げはできない。タイミングが合えばできるかもしれませんけど、翠富士さんは狙ってやっていますから」と語ると、「やっぱりすごく稽古しているんでしょうね」と評価していた。(ABEMA『大相撲チャンネル』)
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