プロ麻雀リーグ「Mリーグ」の2021-22シーズン、頂点に立ったのはKADOKAWAサクラナイツだった。ファイナルシリーズでは、セガサミーフェニックスと最終局のオーラスまでデッドヒートを繰り広げていたが、前年の準優勝の悔しさをバネに悲願の初優勝を果たした。他の7チームから1年遅れて2019-20シーズンから参戦したが、3年連続でファイナルに進出し4位、2位、優勝と確実に結果を出してきたことを見れば「常勝軍団」と呼ぶにふさわしい強さだ。
「1ポイントを削り出せ」。シーズン前に掲げられたスローガンだ。今年のサクラナイツは4選手が全員、絶好調ということではなかった。むしろ好調、不調の選手が入れ替わるように出てきたことが、シーズン通して安定した戦いができた理由だろう。レギュラーシーズンで個人2位と大活躍した沢崎誠(連盟)が病気療養のためファイナルを欠場、セミファイナルでも調子を落としたが、代わってレギュラーシーズン26位と沈んだ岡田紗佳(連盟)がポストシーズンでポイントを稼ぎまくったのは、その象徴的なシーン。優勝のために、目の前の1ポイントを全員で削り出していた。
――悲願の初優勝です。
岡田紗佳(連盟) 本当にうれしいです。今年の優勝の重みが違うなと。今までも毎年ファイナルに残って、優勝したいという気持ちはあったんですけど、今年は特にそれが私以外も強かったと思うので、その年に優勝できてうれしく思っています。セミファイナルで貢献することができて、ちょっとは役に立てたかなと思います。
――内川さんは最終日にも出場しました。リーダーとして初優勝の感想をお願いします。
内川幸太郎(連盟) 沢崎さんが離脱し、堀君がケガをしました。本当にもともと仲がいいチームなんですが、より一層、みんながチームのために献身的になって、一丸となったという言葉だけだと思います。自分のために、チームのために優勝するぞという気持ちは、間違いなく全チームの中で一番強かったのが、結果に現れたのかなと思います。最後は本当に堀君がしっかり大役を果たしてくれて、僕らも自信を持って送り出したので、チームの優勝だと思います。沢崎さんからは「おめでとう」というLINEが来ましたね。
――堀さんは優勝を決める最終局、見事大役を果たしました。
堀慎吾(協会) いやー、ホッとしました。本当に去年、僕がファイナルでチームの足を引っ張る形になってしまっていたので、その借りを返したいのと、沢崎さんはレギュラーシーズンが本当に絶好調で引っ張ってくれました。沢崎さんの勝ちがなければ、セミファイナルに通過できなかったくらいの大活躍をされて、ファイナルでは離脱されました。沢崎さんの分もしっかり戦って勝ちたいという気持ちがあったので、本当にホッとしています。
――昨シーズンは準優勝では意味がないと言っていました。やはり優勝の味は違いますか。
堀慎吾 本当にうれしいですね。来年優勝しますと言っても、そんな簡単じゃないし、みんな麻雀強いですし、できることじゃないとわかっているので。ちゃんと結果として優勝という形で残せてよかったなという気持ちが大きいです。
――監督としても悲願の初優勝となりました。
森井巧監督 本当にうれしいしホッとしています。沢崎さんにいい報告ができて、ファンの人に一番いい報告ができて、とてもうれしいです。もともとチームの雰囲気もいいですし、一つにまとまっていたんですが「沢崎さんのために」という1つ心に決めたことがあったので、より団結を生んだのはあったかもしれません。
――監督としてこの1年心掛けていたことはありますか。
森井巧監督 去年準優勝した時に、1つ1つの試合、ポイントの積み重ねがすごく大事だなと。岡田さんの言葉がすごく印象的だったんです。私がもう少し勝っていればということをおっしゃっていた。なので今年は「その1ポイントを削り出せ」という言葉をテーマに据えさせていただきました。その1つ1つ、1試合1試合の積み重ねが今回、優勝という結果につながったと思うので、みなさん試合を大事に大事に戦っていただいた結果かなと思います。
――チームリーダーから来期の目標をお願いします。
内川幸太郎 もう4位、2位、1位と来たら、連覇しかないです。ずっといい上がり調子で3年間来ていますので、来シーズンもきっと優勝争いをして、連覇を目指したいと思います。
発足から4年経ち、毎年優勝チームが変わるMリーグ。初の連覇、2度目の優勝に一番近い距離にいるのはサクラナイツだ。来期もまた、さらにもう1ポイントを削り出すべく卓に向かい、結果が出ればまた笑顔のダブルピースが見られる。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)