松ヶ瀬隆弥「これが最後のチャンス」オーディション優勝から駆け抜けた最高峰リーグの1年目/麻雀・Mリーグ
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 プロ麻雀リーグ「Mリーグ」は、ドラフト会議で選手を指名、チームを構成するが、会議を前にオーディションを開催し、指名選手を決めるという試みが行われたのは昨オフが初だった。リーグ初にして、もう一度あるかもわからないチャンスで優勝したのがEX風林火山・松ヶ瀬隆弥(RMU)。「これが最後のチャンスだと思った」と、169人参加のオーディションを勝ち抜き、初参戦となった2021-22シーズンも、個人7位に入る+213.7という好成績を残した。「結果は誰が見ても同じ。一番わかってもらいやすい」。選ばれるのではなく勝ち取ろうとする者の覚悟が、そこに詰まっていた。

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 松ヶ瀬の先輩と言えば、所属するRMUの代表を務める渋谷ABEMAS・多井隆晴。Mリーグの舞台でもスター選手として活躍する様子を日頃から目の当たりにし、憧れでもあり、追いついて追い越したい壁でもあった。「Mリーグ入りが決まった時、多井さんには『プロ意識を高く持って頑張って』と言われました。今までと違って圧倒的に見られる人数が増える。常に見られている感覚を持ち続けなきゃダメだなと」。RMUの試合もWEB配信は行われているが、数十万単位の人々が観戦するMリーグでは、麻雀通たちが一挙手一投足を逃さず見ている。大きな体、派手な髪型、それでいて繊細な麻雀。「松ヶ瀬隆弥という人間の何かを見てほしい」と、初のシーズンで考えられることをやってきた。

 人生の転機となったのが、開幕前に行われたオーディションだ。「これはチャンス」と思ったと同時に「これが最後のチャンス」とも思った。「年齢的にもそうだし、次はないだろうなと。同じことは2回やらない。Mリーガーになれるチャンスは最後だと思ったら、急に負けられない気がしてきた」。EX風林火山が独自に行ったオーディションは、毎年行われる保証がどこにもない。また他のチームも実施したことはない。プロ雀士としての人気、エンターテインメント性、将来性なども考慮してドラフト会議で指名が検討される中、とにかく勝てば権利が得られる企画は、千載一遇の絶好機だった。「麻雀観によって、誰が強いかというのはすごく変わってくる。でも結果は誰が見ても同じだから、一番わかってもらいやすい」と、数字だけで判断されることで腹が括れた。

松ヶ瀬隆弥「これが最後のチャンス」オーディション優勝から駆け抜けた最高峰リーグの1年目/麻雀・Mリーグ

 覚悟の末に勝ち取ったMリーガーという肩書だが、やはりリーグ入りを果たしてからは自然と肩に力が入った。チームメイトの二階堂亜樹(連盟)は「今思うと、緊張していたのかな。松ヶ瀬さんにとってMリーグが始まることに対しての緊張感です。オーディションを受けて自力で勝ち取ったという特殊な状況でMリーガーになったので、なんとか結果を出したいという気持ちが強かったんじゃないでしょうか。プレッシャーがすごくあったんだろうと思います」と、その様子も見て取れた。それでも徐々に亜樹、二階堂瑠美(連盟)、勝又健志(連盟)の3人にも徐々に溶け込み、自然体に近づくことで結果も後からついてきた。

 松ヶ瀬にとって「二階堂姉妹」は、雲の上の存在だった。「若い頃、麻雀雑誌やテレビで見ていた人たちですからね。まさか同じチームで戦うことがあるなんて思っていなかったから」。今ではふざけて姉妹から体当たりまでされる仲だ。プロ雀士になる前の職業は料理人。来年チームが目指す2度目の優勝を果たした時、祝賀会のフルコースはもちろん自分で作るだろう。

※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会

◆Mリーグ 2018年に発足。2019-20シーズンから全8チームに。各チーム3人ないし4人、男女混成で構成され、レギュラーシーズンは各チーム90試合。上位6チームがセミファイナルシリーズ(各16試合)、さらに上位4位がファイナルシリーズ(12試合)に進出し、優勝を争う。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)

【動画】Mリーグ全8チームの密着ドキュメント
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【動画】Mリーグ2021-22シーズン最終日ダイジェスト
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