「新しい資本主義」で「一億総株主」を目指すべき? 細木かおり氏「同じ投資でも“未来の社会を担う子どもたちに”という考え方もある」
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 「成長と分配の好循環」「新しい資本主義」を掲げる岸田総理に自民党の経済成長戦略本部が申し入れた提言。「貯蓄から投資へ」を促進するため、「一億総株主」を目指すというものだ。

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 20代から不動産を中心に投資を始め、7年間で7.5億円の金融資産を形成したという“ママ投資家”の八木エミリー氏は「少子高齢化によって年金受給額が減少していく一方、“国の借金”は1200兆円にも上っている。お給料を増やすためには、まず経済を活性化させなくてはいけないし、そのためにはひとりひとりが使うお金を増やさなければならないし、株価が上がらないといけない。

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 経済力が弱まり、国もそこまで面倒を見きれないという中、自分の面倒は自分で見なければならない時代になっている。国民ひとりひとりが資産形成について考えるきっかけになる」と評価する。

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 その一方、リディラバ代表の安部敏樹氏は「7割くらいの人が株を買っているアメリカでは、投資によってお金が自然と国民に行き渡るようになっていると思う。ところが日本では大多数が株を持っていないので、アベノミクスによって金持ちばかりが潤ったと批判された。そういうところから出てきた話だと思うし、個人が暮らしを守るという観点ではいいことだと思う」とコメント。

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 その上で、「ただ、八木さんについても、投資を始めたタイミングが円高に振れていたからというのもあると思うが、最近は円安に向かっている。さらに言えば、投資したい会社がアメリカのように存在しているかどうかも大切だ。例えば東芝に投資したとして、それを元手にイノベーションを起こしてくれるだろうか。

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 そうなると、日本株よりも20年、30年とかけて『S&P 500』に連動する投資信託に積み立てた方が資産を増やせる可能性は高い。結果として米国株が買われる一方、“魅力がない”として日本からお金が逃げていく“キャピタルフライト”が起き、経済が不安定にならないか」と懸念を示した。

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 慶応義塾大学の若新雄純特任准教授も「結局のところ資産を増やすことに成功できた人は、“大化け”するタイミングで投資が出来た人だということではないか。僕も一気に10倍、100倍となった株があるが、それは上場する前から持っていたからだし、逆に証券会社に“推奨銘柄だ”と言われて買ったところ、バーンと4000万円分減ってしまい、夜中に担当者に“鬼電”したことがある」と苦笑。

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 「タンス預金のような余剰資金で、と言っても利回りが年5%とすると、1万円が1万500円になるということだし、場合によっては大きく資産が減少してしまうリスクもあると考えると怖いと思う。その点、国はどういうプランをイメージして、“投資に回そう、倍増させようと言っているのだろうか」と疑問を投げかけた。

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 さらにテレビ朝日田中萌アナウンサーは「コロナ禍で株価が下がった2年前、銀行に預けておくよりは良いかなと思って始めてみた。ちょっとずつ増えていくのが楽しいなと思いつつも、下がった時に慌てて売ってしまったこともあった。個人で個別株を頑張るのは難しいと感じた」と明かす。

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 こうした疑問に対し八木氏は「私もアベノミクスによる金融緩和が始まって金利が下がっていた頃に不動産投資に参入したのが良かったので、いま同じことを始めていいか、といえば、必ずしもそうとは言えない。また、1万円を10万円、100万円にするのはとても難しいし、10年、20年経てば産業も変わっていくので、個別株の投資判断はなかなかつかないと思う。一方で、いついかなる時でも大丈夫というのが長期で分散して積み立てをすることだ。着実に増やしていきたいということであれば、アメリカ株を含む海外株がメインの投資信託だろう。

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 日本にはNISA(少額投資非課税制度)というものもあるし、つみたてNISAであれば最大で年に40万円、月々3万3333円なので、頑張れば出せると思う。それでも難しければ5000円でもいい。そのようにして20代、30代の方は20年、30年かけて資産を作っていくことに意味があると思う。もちろん、お金が日本の外に出ていってしまい、国力、経済力が上がらないという新しい問題も出てくるとは思う」と話した。

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 故・細木数子氏の娘で、現在は孫もいる細木かおり氏は「私も母も、投資はあまりしてこなかったし、支払いだけでいっぱいいっぱいだった貧困時代は、投資するお金なんてあるか!という状況だった。それでも自分の子どもや孫をしっかりと育てることによって老後に安心して過ごせるということはあると思うし、金融資産だけが投資ではないと思う。ひとり親家庭などを支援するNPO法人に寄付をしているが、未来の社会を担う子どもたちに、という考え方もあると思う」と話していた。(『ABEMA Prime』より)

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