“裸の王様”が驚きの大脱走 広瀬章人八段、驚異のしのぎ術に仲間も「心臓が止まる」「見切りがすごい」/将棋・ABEMAトーナメント
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 周囲に守り駒はなし、ただ玉が逃げるのみという“大脱走”だ。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Cリーグ第1試合、チーム豊島とチーム広瀬の対戦が5月28日に放送された。スコア3-3のタイで迎えた第7局は、チーム豊島が名人2期を含むタイトル3期の実績を持つ丸山忠久九段(51)、チーム広瀬は竜王1期を含むタイトル2期のリーダー広瀬章人八段(35)による対戦となった。戦型は後手の丸山九段が十八番の一手損角換わりに持ち込んだところから始まったが、最終盤には広瀬玉がまさに“裸の王様”状態で、たった1枚で盤上を逃走。ぎりぎりのしのぎで逃げ切り勝ちを収め、チームメイトやファンが「心臓が止まる」と大興奮することになった。

【動画】たった1枚で逃走する広瀬章人八段の“裸の王様”

 丸山九段の一手損角換わりの前に「序盤は失敗気味。予想していた展開とは全然違った。スペシャリストならではの呼吸があるんですね」と振り返った広瀬八段。ペースを握られたという自覚を持ちつつも、なんとか挽回しようと粘り、徐々に丸山九段の攻めを細くしていった。すると中盤、終盤に向かうとともに、広瀬玉はうっかりすれば捕まってしまうものの、すれすれでかわし続けるような綱渡りの連続に。大盤解説で聞き手を務めていた甲斐智美女流五段(38)もたまらず「うわー、いやだ。これはいやだ。相当いやだなあ」と、「いやだ」を連発。さらに最終盤、広瀬玉がたった1枚で逃げ続ける様には「玉がここまで裸なのは見たことがない」と驚いた。

 中立な聞き手がこれほどなのだから、応援しているチームメイトもたまらない。三枚堂達也七段(28)が「千里眼で全部見えている」と興奮すれば、青嶋未来六段(27)も「すごいな、このしのぎ」とため息。結果、広瀬八段が紙一重での逃げ切り勝ちを収めた瞬間には、再び三枚堂七段が「こっちが心臓止まるかと思った」と、大きなため息をつくことになった。

 めったに見られない玉1枚での逃走劇にはファンもドキドキの連続だったようで「呼吸できねぇ」「ぼっち玉w」「単騎すご!」といったコメントが多く寄せられていた。

◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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【動画】丸山忠久九段、愛らしい“もぐもぐタイム”
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