序盤中盤終盤スキ無し!豊島将之九段、タイトル戦と同カードの主将対決を制す 仲間も「怖くないんだ…」と絶賛/将棋・ABEMAトーナメント
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 タイトル戦さながらの豪華カードが激突した。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Cリーグ第1試合、チーム広瀬とチーム豊島の対戦が5月28日に放送された。九番勝負の流れを掴む重要な4局目で、豊島将之九段(32)VS広瀬章人八段(35)のリーダー対決が実現。ABEMAトーナメントでは本局が初対戦とあり、豪華カードの対戦に「見ごたえが凄かった」「終盤ドキドキでした」とファンも大興奮の様子だった。

【動画】予選の激闘を振り返るチーム広瀬とチーム豊島

 公式戦で過去に25局の対戦があり、豊島九段が14勝、広瀬八段が11勝(1持将棋)。両者の対戦といえば2019年の竜王戦七番勝負で、豊島名人が4勝1敗で勝利し、史上4人目の「竜王・名人」同時保持者となったことも記憶に新しい。そんな両者だが、ABEMAトーナメントでは本局が初対戦。チーム広瀬2勝、チーム豊島1勝で迎えた第4局は、今後の流れが変わる重要な一局とあり、それぞれのリーダーが対局場へ向かった。

 過去のABEMAトーナメントでは2年連続で予選突破を決めている広瀬八段に対し、豊島九段は0回といまだ本戦の舞台を経験していない。豊島九段は「同じリーダーでもフィッシャーの適性には差がある。思い切りぶつかっていきたい」と今期に懸ける思いの強さを伺わせた。一方の広瀬八段も「豊島さんは序盤中盤終盤、隙が無い」と恒例のうたい文句で警戒心を高めた。

 繊細かつ迫力のある将棋が見る者の心を打った。豊島九段の先手番で戦型は角換わりに。早繰り銀に組んだ豊島九段に対し、広瀬八段は銀を使って柔らかくブロック。△7三角と自角を打って敵陣をにらんだ。互いに積極的に攻め、わずかに豊島九段ペースに。しかし広瀬八段も必死に抵抗を見せ、互いに技をかけあう大熱戦へもつれ込んだ。一進一退の攻防戦の中で、歩を駆使し細かい攻めをつなげた豊島九段が勝ちを引き寄せ、待望の今期1勝目を挙げ、チーム成績を2勝2敗のタイに戻した。

 チームメイトの深浦康市九段(50)は「豊島さんは数々の修羅場をくぐってきてるからこれくらいは怖くないんだ…自分だったら怖いけど」と攻防戦を大絶賛。丸山忠久九段(51)からも拍手で迎えられると、豊島九段は「寄せは失敗したかもしれないですけど…ありがとうございます」とホッとしたように柔らかな笑顔を見せた。視聴者からも「見ごたえが凄かった」「終盤ドキドキでした」「嬉しくて泣きそう」と大興奮のコメントが寄せられていた。

 ◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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