「我々はアーティスト向けのデジタル音楽のディストリビューションサービスということで、インターネット上でサービスを展開している会社」
【映像】利益は100%還元?TuneCore Japanの仕組み
こう話すのは、チューンコアジャパン株式会社の代表取締役・野田威一郎氏。彼が代表を務めるTuneCore Japanでは、インディーズアーティストに向けた音楽配信の支援サービスを展開している。
「(アーティストが)僕らのサービスに自分の曲を登録すると、だいたい2日間位でApple MusicとかLINE MUSICやSpotifyといった聞き放題サービスに自分の楽曲を簡単にアップロードできる」
その仕組みはこうだ。アーティストは1曲につき料金を支払いTuneCoreと契約。その後、Apple MusicやSpotifyといった大手ストリーミングサービスでの配信が始まる。これらのサービスでは1曲再生される度に利益が発生するが、TuneCoreはその利益を100%アーティストに還元している。
「基本的には事務所かレーベルに所属しているアーティストじゃないと元々は(配信サービスとの契約が)出来なかった。そこを僕らが法人として間に入ることによって、個人の方たちも、メジャー契約しているアーティストさんと同条件で配信することができるようになった。2021年はアーティストに還元した金額が98億円くらいと、結構な規模感になっていて、インディペンデント(インディーズ)といってもすごく稼げるアーティストさんがかなり増えてきている」
サービス開始から10年――。TuneCoreを通じてリリースされた楽曲数は100万曲を突破した。アーティストたちへの還元額も右肩上がりだという。しかし、事務所に所属せず、いわば後ろ盾のない彼らがなぜ、これほどまでに稼げるようになったのか。
「最近の子たちだと、SNSで最近増えているTikTokやYouTubeショートだったり、そこで認知度上げたりできるので、必ずしも大きな事務所やレーベルに所属してなくても、そういうところでヒットが生まれていると感じている」
事務所と契約し、CDをリリースしないと稼ぐことが出来なかったのは今や昔の話。プロやアマチュア問わず、己の楽曲一本でのし上がることが出来る時代に突入してきている。
こうした中、野田氏が今後、鍵になると話すのが日本国内におけるストリーミングサービスの普及。ここ数年で、急激に利用者は増えているものの、世界と比べ、いまだCD文化が根強く残る日本。野田氏は、このCD文化からの脱却が日本の音楽業界に更なる成長をもたらすという。
「(海外では)75%がいわゆる聞き放題とかストリーミングの形になっていて、唯一日本がすごくCD文化が売上的に残っている状態。ストリーミングとかの規模が増えて行くにあたって、最近だと瑛人くんやYOASOBIだったり、新しい形でアーティストが出てくるスタイルに変わっていっているので(CD文化だと)そういうのが出づらかったんじゃないか。ストリーミングが主流な分化にしていって、規模感を上げていかないといけない」
デジタルの力で日本の音楽シーンに変革をもたらしているTuneCore。今後もアーティストに寄り添った”アーティストファースト”な事業を展開していきたいと野田氏は話す。
「できる限りアーティストに寄り添った形で、彼らが今一番必要としているようなサービスを常に提供していきたいなと思っているし、それのお手伝いをどこよりもいいクオリティで出していくというのと、海外にリスナーを増やすという風になって良ければいいかなと」
(『ABEMAヒルズ』より)
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