明日までに資料を用意しなくてはいけないけど、集中できる環境がないそんな悩みを持つ人たちにぴったりな施設が東京・高円寺にあった。
【映像】店員の“圧”で集中できる?『原稿執筆カフェ』体験の様子
その名も「原稿執筆カフェ」。今年4月にオープンしたこちらのカフェは読んで字のごとく、原稿を書くことが目的のカフェだ。利用料金は1時間300円。スマホやパソコンの充電設備も完備と、集中して原稿を書くための環境をそろえている。
そんな原稿執筆カフェ。オープンと同時に「めちゃくちゃ集中できる!」とネットで大きな話題になった。果たして、本当に集中できるのだろうか。ニュース番組『ABEMAヒルズ』スタッフが実際にカフェを体験。
来店すると、まず渡されるのが店からのアンケート。記入を求められるのが「作業の目標」だ。「3時間で3000文字」など、具体的な目標を書くことで集中力や緊張感がアップするとのこと。
スタッフは「3時間でこのVTRの原稿を完成させる」ことを目標にした。そして、アンケートを記入したら、いざ作業開始。目標達成のため、黙々と原稿を書き始める。19時の開店から30分。店には集中を求め、続々と客が来店。徐々に張り詰めた空気が流れるように……。
開始から1時間。少し手が止まってきたスタッフ。すると、次の瞬間、「作業の進捗いかがですか?」と突然、背後から進捗具合を尋ねられた。実はこれが“原稿執筆カフェ”が集中できると言われるゆえんなのだ。
先ほど渡されたアンケートの「進捗チェック」の欄に「マイルド」「ノーマル」「ハード」と3段階用意されていて、設定された時間ごとに店員による進捗チェックが行われ、とめどない緊張感と圧を受けるのだ。
その後も、度重なるプレッシャーと周りのお客さんが作る独特な雰囲気も後押しし、徐々に原稿を書くスピードも戻っていく。そして、原稿を書き終えたスタッフ。周りの客が作る雰囲気もあって、早く書き終えることができたという。
オフィスや自宅、更には普通のカフェとも違う作業環境。人々が訪れる理由もさまざまだ。実際に利用した客の声を聞いた。
「本業がライターで、自宅も編集部も行かなくなって、自宅だとどうしても、だらだらネットでゲームをしてしまうので、集中するために来ています。最初は同業者に会うかなと思ったので、そういうなれ合いみたいなのがなくて、単に仕事だけするのが割り切れていいなと思いました」
原稿執筆カフェを運営する、川井拓也さん。オープンの背景には新型コロナの感染拡大が関係しているという。
「元々、スタジオでお酒を飲みながら対談をするというのが売りのスタジオでしたが、コロナ禍でお酒飲みながらの対談ができず、違うことができないかと考えて原稿執筆カフェになりました。とにかく人と人が会話をするという雰囲気がご法度となりましたので、人が黙々と何かをやるスペースにならないかなと」
オープンから約2カ月。予想以上の客足に驚いているそうだ。利益はほぼ出ないというのだが、このカフェが何かを生み出す場所になってほしいと期待を寄せている。
「人は集中する場所をこんなにも求めていたのかと感じます。メディアで色々取り上げてもらっていますが、10席しかないので1時間で3000円以上の売り上げになることはありません。何かを書いてそれが作品の一部になって世の中に何かが生まれてくれれば、利益は二の次です。今この場所から、作品の一部が生まれてほしいなと思っています」
(『ABEMAヒルズ』より)
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