TVアニメ1期が1971年に放送されて以来、TVスペシャルや劇場版などさまざまなシリーズが作られてきたアニメ「ルパン三世」。宮崎駿監督作品「ルパン三世 カリオストロの城」は、TVでも繰り返し放送されるなど日本アニメ史に残る名作として語り継がれています。本記事では「ルパン三世 カリオストロの城」について、名作として世に知られるまでのいきさつや作中の名言などを紹介していきます。
目次
- アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」とは？
- アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」はなぜ名作になったのか？
- アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」の名言は？
- アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」の続編は出ている？
- アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」は配信で見られる？
- アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」まとめ
アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」とは？
1979年に劇場公開されたアニメ「ルパン三世 カリオストロの城」は、シリーズ2作目の劇場アニメ作品にして、東映動画（現東映アニメーション）出身でのちにスタジオジブリで数多くの名作を生み出すことになる宮崎駿氏初の劇場長編監督作品です。ヨーロッパにある架空の国・カリオストロを舞台に、ルパンのアクションや王道なストーリーが繰り広げられる大作です。
劇場公開当時は、現在ほどの評価がなされておらず、再上映やTVでの放送を経て徐々に名作として認知されるようになりました。音楽は大野雄二氏が手がけており、2021年10月から放送されたシリーズ最新作のTVアニメ「ルパン三世 PART6」でも大野氏が音楽を担当しています。
2014年にはデジタルリマスター版が、2019年には4K ULTRA HD化され劇場公開されました。YouTube上にはデジタルリマスター版の予告編動画も公開されており、60万回再生以上を記録しています。
アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」のあらすじとクレジット
ある国営カジノから五十億の札束をまんまと盗み出したルパンと次元だが、実はそれはゴート札と呼ばれる偽札だったのだ。そこでルパンは、ゴート札が発行されたカリオストロ公国を次のターゲットに決める。
ルパン達が公国の自然を楽しんでいると、二台の車が猛スピードで過ぎ去っていった。なぜかウエディング姿の少女が武装した男達に追われていたのだ。当然ながらルパンは少女の側につき、少女を救うのに成功した。
しかし、わずかの隙に少女を奪われてしまう。その少女が忘れていった指輪を見て、ルパンは次元にこの公国で盗みを失敗したことがあるといった。 そしてルパン達は、その少女・クラリスがカリオストロ伯爵との婚礼が近いことを知る。
【CAST】
ルパン三世：山田康雄
峰不二子：増山江威子
次元大介：小林清志
石川五ェ門：井上真樹夫
銭形警部：納谷悟朗
クラリス：島本須美
カリオストロ伯爵：石田太郎
【STAFF】
原作：モンキー・パンチ
監督：宮崎駿
脚本：宮崎駿、山崎晴哉
作画監督：大塚康生
音楽：大野雄二
アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」はなぜ名作になったのか？
アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」が公開された1979年は、劇場版「銀河鉄道999」の公開や「機動戦士ガンダム」の放送とも重なっており、当時のアニメファンには「宇宙戦艦ヤマト」なども含めたSF作品が人気でした。宮崎駿氏もスタジオジブリ設立前で知名度が低かったものの、公開後にアニメ雑誌「アニメージュ」による特集および「風の谷のナウシカ」の誌面連載などを経て、徐々にアニメファンの人気を獲得していきます。
その後、宮崎駿監督は「風の谷のナウシカ」の劇場アニメ化やスタジオジブリ作品で国内外問わず大ヒットを記録していき、もともとアニメ映画として抜群のクオリティを誇っていた「ルパン三世 カリオストロの城」も、多くの人に見られ名作として評価されるようになりました。ちなみに、スタジオジブリで宮崎駿監督と長らくタッグを組むことになる鈴木敏夫氏は、「アニメージュ」の創刊から携わり、編集長も務めています。
アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」の名言は？
アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」には有名な名言も数多く存在します。主要キャラそれぞれの名言をピックアップして下記にまとめました。
・ルパン三世「今はこれがせいいっぱい……」
囚われの身となったクラリスの元へ、城壁を飛び越えてやって来たルパンは、クラリスに「今はこれがせいいっぱい……」という台詞とともに小さな花を差し出します。Twitter上でも「この紳士的なルパンが本当に好きです」「何度も観てるけどやっぱり観てしまう。このシーンが大好きです」といった声が投稿されており、名言・名シーンとしてファンの記録に残っています。
・峰不二子「まさか!? 捨てたの」
クラリスに「捨てられたの？」と尋ねられた不二子が返した台詞が「まさか!? 捨てたの」です。シリーズを通じて付かず離れずを繰り返している2人の関係性が表れている名言です。
・次元大介「どっちに付く？」
奪った金が偽札だと判明したルパンと次元は、偽札を作っているというカリオストロ公国を目指します。その道すがら、パンクの修理をする2人の前を猛スピードで駆け抜ける2台の車が。すぐに車へ乗り込み「どっちに付く？」と聞く次元に対して、ルパンは「女！」と即答。「だろうな」と返した次元と、そこから始まるカーチェイスは本作を語る上で外せないシーンです。
・石川五ェ門「今宵の斬鉄剣は一味違うぞ」
次元とともにカリオストロ伯爵の手下たちと戦う最中、クラリスから直接お礼を言われ見惚れた五ェ門は、彼女の元へ向かおうとする手下たちの集団に切り込みます。見事な剣さばきを見せたあとに「今宵の斬鉄剣は一味違うぞ」と一言。珍しくやる気に満ちあふれた五ェ門の一面が垣間見える名言です。
・銭形警部「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」
映画のラストでクラリスに対して銭形警部がはなったあまりにも有名な名言です。「奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です」と言われたクラリスは「はい」と答え、見届けた銭形警部はルパンを追いかけて行くのでした。
・クラリス「私も連れてって」
ラストシーンでルパンとともに行きたいと告げたクラリス。しかし、ルパンは「やっとお日様の下に出られたんじゃないか」と彼女を置いて去っていきます。ルパンの名言のシーンと対をなし、銭形警部の名言へとつながる見た人の心に残る名シーンです。
・カリオストロ伯爵「指輪を取り戻してここへ来い。我が妻になればルパンの命は助けよう」
クラリスを連れ出して逃げ出そうとするも、凶弾に倒れてしまうルパン。必死にかばうクラリスに対してカリオストロ伯爵が言い放ったのが、上記の名言です。カリオストロ伯爵の見事な悪役ぶりとルパンと不二子を助けようとするクラリスの献身さが表れたシーンとなっています。
アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」の続編は出ている？
アニメ作品で「ルパン三世 カリオストロの城」の直接的な続編はありませんが、プレイステーション用ゲームとして「ルパン三世 カリオストロの城 -再会-」というソフトが発売されています。アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」から数年後のカリオストロ公国を舞台としたゲームとなっています。
また、続編ではありませんが、4年後のクラリスが思い浮かべるルパンらを再現したフォトストーリーとして、1983年に徳間書店のアニメージュ文庫から「あれから4年…クラリス回想」が発売されています。
アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」は配信で見られる？
アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」は主要動画配信サービスで視聴することが可能です。初回無料特典があるU-NEXT、Amazonプライムなどでもレンタル料金を払うことで視聴ができます。定期的にTVで再放送もされていますが、すぐに見たい場合は動画配信サービスを利用しましょう。
アニメ「ルパン三世 カリオストロの城」まとめ
宮崎駿初の長編アニメ監督作品としても知られている「ルパン三世 カリオストロの城」。公開当時は人気が出なかったものの、次第にアニメファンはもちろん国民の誰もが知る人気作品となり、さまざまな名言も生まれました。
まだ見ていないという人はもちろん、何度見ても新しい発見ができる名作を、改めて動画配信サービスなどで見てみてはいかがでしょうか。
原作：モンキー・パンチ (C)TMS
