将棋のヒューリック杯棋聖戦五番勝負の第2局が6月15日に行われ、藤井聡太棋聖(竜王、王位、叡王、王将、19)が挑戦者の永瀬拓矢王座(29)に138手で勝利、対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。形勢不明の最終盤で藤井棋聖が見せた敵玉の対路をふさぐ銀打ちの一手に、ABEMAで解説を務めた飯島栄治八段(42)は「神がかっている」と絶賛の声を上げた。
【動画】大熱戦となった棋聖戦五番勝負第2局
 永瀬王座の先手番で、戦型は「角換わり腰掛銀」に。永瀬王座の深い研究を前に、藤井棋聖は午前中の50手の間に持ち時間の半分以上となる2時間9分を消化した。午後のタイムマネジメントが注目された中で難解な中盤戦へ突入した。永瀬王座は昼食休憩明けに、飛車先の歩の突き捨ての一手でこの日最長の1時間16分の長考。角の取り合いから激しい攻め合いとなり、藤井棋聖が角を使った攻防の一手を放ったところから主導権を握った。最終盤、永瀬王座の玉の退路をふさぐ銀打ちの一手で一気に形勢は藤井棋聖側へ。ABEMAの中継に出演した飯島栄治八段(42)は「すごくないですか、狙っていたんですね。神がかっている」と絶賛。最終盤まで形勢不明の大熱戦を、藤井棋聖が一撃必殺の一手で勝利を飾った。