30代男女の4人に1人は「結婚願望ない」? 踏み出せない理由に専門家「“おひとりさま”に違和感がなくなっている」
30代男女の4人に1人は「結婚願望ない」?内閣府のデータ
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 20代の独身男性の約4割にデートの経験がないことがきのう、内閣府の調査で明らかになった。また、20代男性の約7割、女性では約5割が現在「配偶者、恋人はいない」と答えたという。

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 このデータに野田少子化担当大臣は「収入面もあります。また、出会いがないというのもあります。1人で過ごす時間が多い人がどう出会っていくかということを考えることがイノベーションなのかなと」と危機感をあらわにした。

 この結果を街にいる若者たちに話を聞いてみた。現在、恋人がおらずこれまでデートした経験もないという21歳の男性は「彼女がいたらいたでいいとは思うが、そこまで急いでいないという感じ。自分、いま吹奏楽をやっているが、楽器吹いたり、あとは大学の課題とか就活とかがそこそこ忙しいので、どうしてもそっち優先となってしまう。SNSなどの価値観も趣味もいろいろある中で、付き合うというのが一つのゴールではなくなっているというのがある」と話していた。

 同じく恋人がいない20代女性は「別に(彼氏が)いなくても、自分の今の生活が充実しているので。毎日忙しく、人と会う仕事なので(休日は)1人でいたい」と明かした。

 今回のデータに驚きを隠せないのは、彼らより年上の世代だ。40代の男性会社員は「デート経験がない男性が4割?多いのではないですか。信じられない。頑張ればいいのに」とコメント続けて、なぜ多いかとの質問に対して「男性に対して、頼りないなと思ってしまう。度胸がないのか、時代が違うというのもあると思うが、セクハラとか、男性が女性にちょっかい出したら叩かれたり、非難されやすい環境がある」と推測している。

 また、60代の男性会社員は、経済的余裕や、選択肢の広さも要因ではないかと語った。

「経済的に余裕がなくなってしまったのが、1つの要因かもしれない。情報が多すぎて選択肢が広がりすぎたのか、そちらのほう(恋愛)への興味が少なくなってしまった可能性も」

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 さらに、結婚願望についてのデータでは、30代の男女の4人に1人が「結婚願望がない」と回答した。

「人と人とのコミュニケーションが、非常に多様化していてメタバースなどでもバーチャルにかかわっている人も多いと思う。結婚を目標に交際するというところが未だにあるのであれば、結婚というものが金銭的に可能だよという社会が必要なんじゃないかな。従来の結婚制度が、多様化する価値観にそぐう制度なのかは、色んな議論があってもいいのかなという気がします」(30代独身の男性)

 ニュース『ABEMAヒルズ』に出演した広告と福祉とスポーツの専門の世界ゆるスポーツ協会代表・澤田智洋氏は、結婚願望の低さのデータについて話した。

「(この結果になったのは)ある意味当然。楽しいことはいっぱいあるし、楽しいことではなくても、レポートや企画書の作成、あるいは推し活に一直線で恋愛している暇がないなど、そういう時代になってきている。誤解を恐れずにいうと、恋愛は娯楽のような側面がある。心をリフレッシュできたり、仕事の嫌なことを忘れたりなど。娯楽という観点だけで見ても競合がすごく多様化しているので、こういう結果になる」

 また、結婚になかなか踏み出せない若者について澤田氏はこう語る。

「元々、結婚の本質は、リスク回避やリスク分散だと思っていて。自分が(体や心の)コンディションの良くないときに、家族がいると、心の支えになったり食料を買ってきてくれたりなどで、生存確率が上がることが本質ではないかと私は思っている。ただ今は、結婚するほうがリスクになっている。男女ともに自分の役割を背負わされて、自由がなくなり自分らしさが失われている」

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 生涯発達学が専門分野の大阪商業大学・准教授の佐々木尚之さんは、若者が結婚に積極的ではない理由に「単純に結婚に魅力を感じないから」との見解を示す。

「日本では、旅行や外食、エンターテイメントなど、『おひとりさま』で出掛けても違和感はなくなっている。実家に住み、身の回りの世話をしてくれる人が居て、お金もそれなりに自由に使える状況であることからわざわざ結婚するメリットが小さい」

 また、佐々木さんは、結婚の必要性について「結婚は『個人の幸福のため』だと考えていて、したい人がすればいい」と持論を展開した。

「夫婦別姓や同性婚を認めると家族が崩壊してしまうと考える人たちもいるが、先進国で明確に認めていないのは、日本のみ。かといって、日本の家族の絆が強く保たれているとは感じない。成人初期段階に結婚し、子どもを持つことを前提とした社会制度はもはや成り立たない状況にある。配偶者や子供の有無、年齢、性別、心身の障がいの有無にかかわらず、誰もが尊厳をもって生涯にわたり、楽しく暮らせる社会の構築を目指すべきだと思う」

(『ABEMAヒルズ』より)

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