まさかの事態に、百戦錬磨のベテラン棋士も“ポカン顔”になった。将棋界の団体戦「第5回ABEMAトーナメント」予選Dリーグ第1試合、チーム康光とチーム天彦の対戦が6月18日に放送された。ハプニングが起きたのは第3局の先崎学九段(52)VS佐藤天彦九段(34)戦。超早指し戦の真っ最中、佐藤九段に悠然と席を離れた。驚きの事態に、ファンからは「どこ行ったw」「高度な番外戦術!?」「新手w」とコメントが殺到した。
【動画】「どこ行っちゃうの?」まさかの事態に先崎学九段がキョトン顔
チーム康光の2勝をチーム天彦が追いかける第3局。チーム康光からは先崎九段、チーム天彦はリーダーの佐藤天九段が登場した。ベテランチームにスタートダッシュを決められたとあり、佐藤天九段としてはまず1勝が命題。ABEMAトーナメント初陣となる先崎九段としても、初勝利がかかる大事な一戦だ。駒組みが終わりいよいよ戦いへ…という局面で佐藤天九段が悠然と立ち上がり、対局場を離れた。秒単位でのタイムマネジメントが勝敗に直結する超早指し戦においては異例の事態。チーム天彦の佐々木大地七段(27)は「おっとぉ!え!?」、梶浦宏孝七段(26)「大丈夫!?これは先崎先生もビックリだわ!出てっちゃった!」とモニターにくぎ付けになっていた。
これに一番驚いたのは、もちろん対局者の先崎九段。「どこ行っちゃうの!?」とばかりに口をあんぐり、周囲をキョロキョロ。持ち時間の範囲内であれば離席することも可能だが、なんといっても持ち時間は各5分の超早指し戦。このハプニングにはコメント欄も「え!?」「先ちゃん最高のリアクション」「高度な番外戦術!?」「きょとん、だよねw」「先崎先生のお気持ちめっちゃわかりますw」「フィッシャーで離席とかww」と騒然となっていた。ここまでの2局で梶浦七段、佐々木七段が敵チームのベテラン強豪・郷田真隆九段(51)に連敗しているだけに、佐々木七段は「我々の成績にあきれて…?」と問いかけると、梶浦七段「こっちに来て説教!?」と顔を見合わせる様子も見られた。
しかし、佐藤九段は扇子を手に着座すると、何食わぬ顔でそのまま対局を続行。離席の理由が明かされることはなかったが、佐藤九段が157手の熱戦を制しチームに初白星をもたらした。思わぬ“新手”披露に、対局者も仲間もファンも手に汗握る一局として強く印象に刻まれた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)