平日は精神科医、週末はラッパー!? Dr.マキダシが“生きづらさを抱える人々”へ届けたいメッセージ
【映像】Dr.マキダシさんの楽曲(MV)
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 現役の精神科医であるDr.マキダシさんは、代々医師の家系でありながら、大学入学を機に音楽活動を始めた“異色の医師ラッパー”だ。平日は医師としてハードな勤務をこなしつつ、週末はラッパーとして活動している。24日には呂布カルマさんとの楽曲も収録された『DOCTOR in da HOUSE 1000』を発売する予定で、HIPHOP界でいま注目が集まっている。

【映像】Dr.マキダシさんの楽曲(MV

 楽曲『人の調子聞いてばっかりの人生』は、“いつも人に調子を聞く”というラッパーと医師の共通点から生まれた曲だった。

「朝はおばあちゃん調子どう?昼はじいちゃん調子どう?yo 夜はおっちゃんおつかれ調子どう?からのparty people調子どう?」(楽曲『人の調子聞いてばっかりの人生』より)

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「MVでは病院で白衣を着ているため、一見、医療者を代表するような曲に聞こえるかもしれない。しかし、実はこの曲が歌っている対象はもうちょっと広い。例えば、学校の先生でも、部活のキャプテンでも、バイトのリーダーでもなんでもいい。多くの人間を案じる人たち全般に向けた『我々はちょっと気を張って、いろいろな人の調子を聞きながら頑張っているけれど、たまには僕らのことも気を使ってね』というメッセージ」(Dr.マキダシさん)

 医師として、ラッパーとしてさまざまな人の心と向き合う中で感じるのが“それぞれが抱えている生きづらさ”。この曲の歌詞には、特にSNS時代に顕著となった「ついつい気を張ってしまう人々」へのメッセージが込められている。

「HIPHOPは元々教示というか『こういう風に生きるのはどうだ』『こういう考え方がある』といったことを聞き手に問いかけるような性質のある音楽。ラッパーでありながら医学的にも正しい知識を伝えられて、かつちょっと生きづらそうな人に何かしらのアドバイスができればいいなと思う」

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「俺の人生救ったあのフレーズは 赤の他人が記した歌詞カード そう 誰しもが言葉を欲して 求めるこの無記名の処方箋」(楽曲『sweet medicine』より)

 マキダシさんが信じ、伝えていきたいとする「音楽が持つ効果」。自分に向けて作られた曲でもないのに、なぜか治療薬のように心に届けられる――。そんな音楽の性質を「無記名の処方箋」と表現した曲で出てくる、マキダシさんにとっての“赤の他人”。それが、HIPHOPグループ「RHYMESTER」の宇多丸さんだったという。

「宇多丸さんの歌詞は特に毒っ気が強いが、根底に人類愛みたいなものをすごく感じて敬愛している。そのうえで、学生時代に精神科を目指すきっかけとなった精神科医の石川信義先生が、日本で初めて『閉鎖のカギをかけて閉じ込めるのではなく、患者同士を交流させることが一番患者の治療に役立つ』という方針の『開放病棟』を作った。実はこの石川先生が、先ほどのRHYMESTER・宇多丸さんの実のお父さんだった。これにはすごくびっくりした。知らずに両方好きだったが、宇多丸さんの歌詞の根底にはそういう精神医学的な人類に対する愛みたいなものがあると理解した瞬間に、『精神科医としてラップをやるのはあり』だと思った」

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 そんな偉大な親子の背中を追いかけるように、“病む街”にはびこる病理を正していきたいとするマキダシさん。今後の目標については、海外で始まっているという「精神科での治療にHIPHOPを生かす研究」に自身も取り組んでいきたいとしている。

「ラップをすることによって、自分自身のことを考え直したり、自己開示というプロセスがあったりするのですごく精神的にプラスな部分が多い。そういう研究にも携われたらなと思う。あとは、純粋にラッパーとしてみなさんに共感していただいて、かつ面白がられるような曲をたくさん作って、ゆくゆくは稼いだお金で開業したい」

(『ABEMAヒルズ』より)

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