ニュース番組『ABEMAヒルズ』では、参院選の争点の一つである「物価高」について、元日本経済新聞記者で経済アナリストの後藤達也氏とアパレルブランド「CLOUDY」CEOの銅冶勇人氏に話を聞いた。
【映像】アルゼンチンでは60%超も…世界全体で見た消費者物価指数の上昇率
――24年ぶりの円安となっていますが、日銀が金融緩和を続ける理由についてはどうお考えですか。
後藤「今、日本の物価は2%ぐらいに上がってきている。日銀が目指している物価目標は2%なので、それが達成されているかのように見え、『金融緩和をやめてもいいのではないか』と思えるかもしれない。しかし、同じ2%でも違う。今起こっているインフレでは原油価格や小麦の価格が海外で上がっていて、さらに円安も進んでいるので、円で海外のものを買おうと思うと高くなってしまう。そういった外の要因で物価が上がっているインフレは『コストプッシュ型』と呼ばれる。コストが上がってきているので、企業がやむなく『値上げさせてください』という形の値上げになっているのが“いまの2%インフレ”。具体的に言うと、食品やガソリン、電気料金などのコストがかかるところの価格が上がってきている。一方で、“日銀が目指す2%インフレ”は『コストプッシュ型』ではない。むしろ、賃金が上がったり消費が強くなったりして、需要が強くなる形で物価も自然に上がっていく。その結果、企業も儲けられて、従業員にも賃金が増やせるといった好循環を目指している。今は状況が全然違うということで、黒田総裁も『これは我々が目指している2%ではない』と言っている。景気を刺激することで賃金や消費を引き上げていくというような考えを目指しているのが今の構図だ」