チーム天彦、予選1位で本戦へ!佐藤天彦九段が5連勝でけん引 スタートダッシュで「流れ出来た」/将棋・ABEMAトーナメント
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 将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Dリーグ第2試合、チーム天彦とチーム稲葉の対戦が6月25日に放送された。全7局で「相掛かり」が採用された第2試合は、第1局、第2局で佐藤天彦九段(34)がリーダー自ら先を切って勝利。流れを掴んで5-2でチーム稲葉を撃破した。Dリーグ1位通過で本戦入りを決め、勢いそのままに本戦も一気に駆け上がる。

【動画】佐藤天彦九段、圧巻の指し回しで予選突破をけん引

 佐藤九段が圧倒的な存在感を示し、チーム勝利をけん引した。「自分がトップで出て行って若手を討ち取るプラン」との作戦で、第1局から登場。チーム稲葉の服部慎一郎四段(22)と対戦した。相掛かりの出だしから中盤は力戦に。一瞬の隙を果敢に攻め込み、大熱戦の末に互いに相入玉模様となったが、佐藤九段が駒得の多を活かして勝ち切った。

 続く第2局も佐藤九段が“連投”。稲葉陽八段(33)率いるチーム稲葉陣営からは「おおー」と声が上がるなど意表を突かれた様子だった。佐藤九段は「温まっている。有望な若手と新鮮な気持ちで対局できて充実している」と話し、ABEMAトーナメント初出場となる出口若武六段(27)戦に向かった。じっくりとした出だしと思いきや、突如、出口六段の▲4五歩の仕掛けから開戦。しかし佐藤九段が受けきり、△4七銀から鮮やかな寄せが決まった。これには井出隼平五段(31)も「見事でした」と感服。チームに連勝を持ち帰った。

 このままチーム天彦のペースかと思われたが、第3局では梶浦宏孝七段(26)、第4局では佐々木大地七段(27)が連敗し、勝負は仕切り直しの五番勝負に。リーダーの連勝を無にする訳には行かぬとばかりに奮起し、第5局は佐々木七段が出口若武六段(27)戦に向かった。戦型は佐々木七段の得意戦法「相掛かり」。5六歩、4五歩、3五歩と歩の手筋で助走を付けてからハードパンチを繰り出し、鋭い寄せが刺さった。これには出口六段も粘りがきかない展開に。佐々木七段が細い攻めをうまくつなげて快勝を飾り「勝ちたいところだったので次につなげられて良かった」とホッとした表情を見せた。

 これに背中を押されたように、続く第6局では梶浦七段が大熱戦の末に相手リーダーの稲葉八段を破る大活躍を見せた。上部奪取をちらつかせた強靭な受けで逆転勝利を飾り、「だいぶ迷惑をかけたが(予選突破に)王手をかけられたので大きいのでは」と満足気にうなずいた。絶対に勝つという執念に、佐藤九段からは「耐えたね、感動した!」と力強い言葉が飛び出す場面も。勝てば予選突破というプレッシャーを背負い第7局を戦った佐々木七段も、序盤で一歩得の模様の良さを活かして服部四段に勝ち切り、本戦行きのチケットをチームに持ち帰った。

 梶浦七段、佐々木七段にとっては初めての本戦。梶浦七段は「危ない展開が多くて心配かけてしまった。2人に助けられた」、佐々木七段は「得意の相掛かりをぶつけようと思っていた。全体的に勉強になったし満足いく内容になった」と、その表情には充実感があふれていた。何よりも大きかったのはリーダーとしての王道を示した佐藤九段の存在だ。予選は個人で5戦全勝。戦果はもちろん、柔らかい雰囲気作りでチームメイトを明るく盛り立てた功績は誰もが認めるものだろう。「(5連勝は)望外。幸い良いスタートが切れて流れができたのかなと思ったが、相手の粘り強さも感じた。佐々木さんと梶浦さんがしっかり勝ち切ってくれてよかった」とこの日一番の笑顔を浮かべた。本戦では更なる激戦は必至。三者で力を合わせ、どんな困難も乗り越えていく。

 ◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【動画】佐藤天彦九段、圧巻の指し回しで予選突破をけん引
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