病気やケガで手足を失った人が使用する義手。ニュース番組『ABEMAヒルズ』は、楽器の機能を組み込んだ“新しい義手”の開発元を取材した。
「私が作っているのは、義手と楽器が融合した『MusiArm』。トロンボーンをモチーフにしたものと弦楽器をベースにしたもの、打楽器、DJのミキサーのようなもの、そしてキーボード(を開発した)」(ALPHYZ代表・畠山海人さん、以下同)
さまざまな楽器の機能を持つ義手を開発したのは、畠山海人さんたち「ALPHYZ」。現在発売されている楽器のほとんどは健常者向けに作られたものだが、演奏に必要な機能は片手でも扱える。
「ギターには実際に弾く部分と、弦の張られているネックといわれる部分、ボディといわれる部分がある。片手で演奏をする際にボディは正直必要がなくて、『ネックだけがあれば、演奏はできるんじゃないか』と考えた。ボディを取り除いて、ネックを腕に直接装着する」
義手が必要な当事者と議論を重ねながら、制作を進めたという。
「先天性前腕欠損を持つ当事者の義手に対するビジュアル的不満や機能的不満、楽器を演奏したいという想いから共創して生まれた。今ある義手楽器のユーザーから『本当にかっこよくてインパクトのあるものが欲しい』『目立つものが欲しい』といった要望を頂いて、それに沿って作っている」
3D CADというソフトでデザインし、3Dプリンターで削り出し。電子部品を組み込んで作り上げていく。一般的な義手と違うのは、自由に組み合わせられることだ。
「僕の楽器の場合は、一つソケットを作ることで、例えばスポーツ用の義手などにも自由にカスタマイズできる」
開発の背景には「義手は“障害を隠すため、補うためのもの”ではなく、身体の“可能性や余白”だ」と捉える考え方があるという。障害の意味を指す「Disability」ではなく、その人特有の能力「This Ability」。畠山さんは「楽器以外のさまざまな義手も作りたい」と語る。
「義手楽器以外のエンタメの分野、スポーツや料理にも展開していきたいと思っている。義手のエンターテイメント性を高めていきたい」
(『ABEMAヒルズ』より)
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