「かぐや様は告らせたい」（以下、「かぐや様」）は、赤坂アカ（あかさか あか）先生が「週刊ヤングジャンプ」で連載している学園ラブコメ漫画。原作コミックスは2022年11月現在で第27巻まで発売されているほか、スピンオフコミックやノベライズも発売されており、シリーズ累計部数は1900万部を突破しています。
これまで３期にわたってTVアニメにもなっていて、第１期は2019年１月から3月、第２期は2020年４月から６月、第３期は2022年４月から６月にかけて放送されました。また、実写映画も２本制作されて2019年９月と2021年８月に公開、上映初週の週末興行成績でそれぞれ１位を記録しています。
この記事では、そんな「かぐや様」のスピンオフコミックの１つ「かぐや様は告らせたい 同人版」（以下、「同人版」）の情報をピックアップ。その魅力をお伝えするとともに、そもそも「同人版」とは何なのか、原作コミックとは何が違うのかについても注目していきましょう。
目次
- 「かぐや様は告らせたい」とは
- 「かぐや様は告らせたい 同人版」とは？
- 同人版と原作の違い(1)作者が違う
- 同人版 と原作の違い(2)エロさが違う
- 「かぐや様は告らせたい 同人版」の基本情報まとめ
「かぐや様は告らせたい」とは
名門校・秀知院学園の生徒会で出会った、副会長・四宮かぐや（しのみや かぐや）と会長・白銀御行（しろがね みゆき）。２人は互いに惹かれ合っているものの、高すぎるプライドのせいで告白に踏み切ることができずにいました。素直になれない２人は、いつしか「告白した方が負け」だと思うようになり、権謀術数の限りを尽くして相手に告白させようとするのですが……。
そんなプロローグから物語が始まる「かぐや様」は、偏差値77のエリート高校を舞台にした学園ラブコメディ。かぐやと白銀の恋愛模様を中心に、周囲の面々を巻き込んだ人間関係を、時にコミカルに、時にシリアスに描いています。こじれたラブストーリーとキレキレのギャグが話題を呼んで、2017年に開催された第３回次にくるマンガ大賞で第１位に輝き、令和元年度の小学館漫画賞で一般向け部門を受賞するなど、高い評価を得ている人気作品です。
「かぐや様は告らせたい 同人版」とは？
「同人版」は、原作コミックである「かぐや様」のスピンオフ漫画。「週刊ヤングジャンプ」のWEBコミック配信サイト「となりのヤングジャンプ」で、2018年６月14日から2020年６月25日に渡って番外編を含む全34話が掲載されました。そのほかにも、「週刊ヤングジャンプ」に掲載された出張特別読切エピソードが１本存在しますが、その話は単行本の第２巻に掲載されています。
現在でも「となりのヤングジャンプ」で第１話から第３話までが公開されており、誰でも無料で読むことが可能ですが、それ以降の第４話から最終話までのエピソードは、全４巻の単行本が発売されたため公開終了となっています。また、「週刊ヤングジャンプ」の公式アプリ「ヤンジャン！」をダウンロードすれば、第１話から第３話までは完全無料で、第４話から第24話までは24時間の閲覧期限付きではありますが無料で読むことができます。
そんな「同人版」の特徴は、第１話で「本編であったらいいなと思うエロスピンオフである!!」と大々的に謳っているように、原作コミックではお目にかかれないエロ要素が中心となっていること。もちろんエロだけではなく、生徒会メンバーが幼稚園児や保母になったらどうなるか、キャラの中身が入れ替わってしまったら、主要キャラで赤ずきんを演じてみたら……といった、本編では決して見ることができないIF要素も多数盛り込まれています。
同人版と原作の違い(1)作者が違う
「かぐや様」の原作コミックと「同人版」の何が違うかと言えば、もっとも大きいのは作画担当者が違うことでしょう。原作コミックの作画は赤坂アカ先生ですが、「同人版」は茶菓山しん太（さかやま しんた）先生が描いていますので、原作コミックと「同人版」では当然ながら絵柄も違います。
茶菓山先生は「まんがタイムきらら」で2010年３月から2016年６月まで４コマ漫画「チェリーブロッサム！」を連載していたことで知られる漫画家。そのほかにも、「月刊少年エース」2011年12月号から2015年２月号で、ライトノベル「棺姫のチャイカ」のコミカライズも連載していて、2021年４月からは「となりのヤングジャンプ」で「柚子川さんは、察して欲しい。」を連載中です。
「同人版」連載の経緯は、茶菓山先生が2017年に「かぐや様」の成人向け同人誌を２冊頒布したところ、そのクオリティの高さが話題となって「週刊ヤングジャンプ」編集者の目にとまり、オファーを受けたことによるのだとか。茶菓山先生は後に、最初に「週刊ヤングジャンプ」の編集者からメールが来た時に、成人向け同人誌であったため咎められるかと思ってビクビクしたそうです。
同人版 と原作の違い(2)エロさが違う
そんな茶菓山先生が描く「同人版」は、パンツは丸出しになるわブラは透けるわと「エロを解禁したスピンオフ」がコンセプト。原作コミックが「ただでさえ青年誌なのに、パンチラもブラチラもラッキースケベもハーレムも一切ないポンコツラブコメ」「欠陥ラブコメ」などと漫画版公式Twitterがネタにするほど、エロにまったく頼らないスタンスなのとは対称的な作風となっています。
ただし、エロに注力しているとは言っても年齢制限がかかるほどではなく、エロ描写はそれっぽいシチュエーションや下着、セミヌード止まり。「となりのヤングジャンプ」の作品紹介に「全年齢対応なのでご安心ください！」と書かれていることからもわかるように、一線を越えたりはしていません。
とは言え、下ネタ好きの先輩女生徒が主人公の少年に逆セクハラを仕掛けまくる「チェリーブロッサム！」が代表作の１つであり、さらに成人向け同人誌でも好評を博している茶菓山先生の作画ですから、エロNGの原作コミックスよりもはるかに描写は濃厚。下ネタがお嫌いな方はともかく、それ以外の方にはオススメです。
特に、先ほど触れたIFストーリーのうち、かぐやたち園児の面倒を見る白銀先生＆早坂愛（はやさか あい）先生が恋に落ちる話は人気も高く、早坂ファンは必見です！
「かぐや様は告らせたい 同人版」の基本情報まとめ
以上、原作コミックスとの比較を中心に「同人版」の情報をまとめました。エロに力を入れた「かぐや様」のエピソードというと、ほかに原作者の赤坂先生が描いた「かぐや様は告らせたいダークネス」という番外編が２本存在しますが、そちらは原作コミックス第22巻の付録となったOVAでアニメ化されており、ABEMAなどの動画視聴サイトでも公開中です。それと同様に、「同人版」もOVA化されれば多くのファンが喜ぶのではないかと思われますが……実現は困難かもしれませんが、期待したいところです。
(C)赤坂アカ／集英社・かぐや様は告らせたい製作委員会
「かぐや様は告らせたい」原作漫画
