タイトル通算31期の名棋士にも、これならファンが勝てるかも(?)。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Eリーグ第1試合、チーム藤井とチーム渡辺の対戦が7月9日に放送された。チーム渡辺のリーダー渡辺明名人(棋王、38)は、近藤誠也七段(25)、渡辺和史五段(27)という若手2人を引き連れて参戦。初優勝に向けて、初戦から優勝候補のチーム藤井をスコア5-3で破る絶好のスタートを切った。チームワーク抜群の3人組だが、対局の間で流れた映像は「あっち向いてホイ」。大盛り上がりで勝負をしつつ、後輩に敗れて撃沈する様子にファンから「めちゃ楽しそう」「ナベよわw」と、爆笑の反応が集まった。
渡辺名人は現役2位、歴代4位のタイトル31期を獲得しており、竜王と棋王では永世称号の資格も持つ。現在は、五冠保持者の藤井聡太竜王(王位、叡王。王将、棋聖、19)に次ぐ序列2位で、将棋界にしっかりと名を刻み込んだ名棋士だ。盤上では作戦巧者ぶりが光るが、盤を離れたところではざっくばらんなトークでも人気でフットサル、野球、競馬、最近ではカーリングと多趣味なことでも有名だ。
チームのリーダーかつムードメーカーでもある渡辺名人は、試合間に挟むための短尺動画にも全力投球だ。自己紹介を終えた後、近藤七段、渡辺五段と行ったのは老若男女が楽しめる「あっち向いてホイ」。じゃんけんをして勝った方が、合図とともに上下左右、どこか1方向を指差し、負けた方がそちらを向けば成功、向かなければじゃんけんからやり直し、というものだ。
日頃から勝負の世界に身を置いている棋士は、どんな勝負事でも真剣になってしまうのが性。笑顔ながらもじゃんけんから全力で指を出し、思い切って指差す様子には、ファンも「ニッコニコでいいなぁ」「あっちむいてほい楽しそうw」と大笑い。さらに渡辺名人は近藤七段に対して、じゃんけんこそ勝つもののなかなか指差しの部分で成功できないことが続き、思わず脇息に突っ伏した。また、渡辺五段には敗れてしまい、再び撃沈。実に楽しげな映像に「よわっ」「盛り上がってる笑」と、将棋番組とは思えない言葉と盛り上がりが生まれていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)