将棋の藤井聡太王位(竜王、叡王、王将、棋聖、19)に豊島将之九段(32)が挑戦する、お~いお茶杯王位戦七番勝負第2局を前日に控えた7月12日、対局が行われる北海道札幌市「ぬくもりの宿ふる川」で検分を行った。シリーズは、挑戦者の豊島九段が開幕戦で先勝。「札幌の奥座敷」と呼ばれる自然豊かな定山渓温泉を舞台に、両者がどんな戦いを繰り広げるか、大きな期待が寄せられている。
現在、王位戦とともに棋聖戦五番勝負とダブル防衛戦を戦う藤井王位。全国を飛び回って戦う激務をこなしているが、「先後は決まっているので、それに向けて準備をしてきました」と静かに話した。過去2回の王位戦でも北海道を訪れているが、定山渓温泉は初。「川と山に囲まれた静かなところで、対局室も雰囲気の良いお部屋を用意して頂いたと思います」と印象を語った。
「札幌の奥座敷」と呼ばれる定山渓温泉は、1962年に行われた王位戦七番勝負第4局で大山康晴王位と花村元司八段(肩書はいずれも当時)が戦った舞台。60年ぶりの王位戦開催とあり、藤井王位は「それは知らなかったです。当時の対局にも負けないような熱戦にしたいと思います」と闘志を燃やした。6月28・29日に行われた開幕局で豊島九段に先勝を許しており、定山渓対局は是が非でも制したいところ。豊島九段の超攻撃的姿勢に圧倒された第1局を踏まえ、「しっかり考えて良い内容にして行ければと思います」と語った。
一方、タイトル奪還へ幸先の良いスタートを切った豊島九段。第1局は「考えたことがある形になった」と深い研究を実らせ、出だしから超攻撃的な姿勢で藤井王位を圧倒した。4期ぶりの王位復位に向けて、この第2局ではリード拡大が期される。「普段通り指していって、自分らしい積極的な将棋を指して熱戦にできればと思っています」と開戦を見据えた。
(画像提供:日本将棋連盟)