将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」で、自ら出場権を勝ち取った3人で結成された「エントリーチーム」の折田翔吾四段(32)、黒田尭之五段(25)、冨田誠也四段(26)が予選参戦を前に集結。エントリートーナメント突破の祝勝会を開いて結束力を高めた。
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エントリーチームはドラフト指名漏れした棋士を3ブロックに分け、勝ち抜いた3人で結成された実力者ぞろい。激戦を勝ち抜きわずか3枠の出場権を手にしたとあり、まずは乾杯で互いをぎらった。リーダーは、アマチュア時代からYouTuber「アゲアゲさん」として視聴者から親しまれた折田四段に決定。黒田五段は「(ABEMAトーナメントは)ずっと見る側だったけど、今回は出る側。結果にこだわりたいですね」と感慨深げに話した。
同じ関西所属、さらには修行時代が重なっていたが、団体戦を戦うとあり互いをよく知るため複数のお題を回答し合って結束力を高めた。最初のお題は「チーム名を決めましょう」。他チームは、メンバーの頭文字や棋風、チャレンジした企画から選ぶなど、それぞれ個性的なチーム名に決定している。エントリーチームは全員の名前に「田」が付くことから「田三中」、関西所属と苗字の共通点から「西田」が提案されたが、最後は冨田四段が発案した「下克上」に決定した。
トークもお酒も進んだところで、次なるお題は「予選突破のマル秘作戦」。予選では、将棋界の頂点に君臨し大会4連覇中の絶対王者・藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、19)率いるチーム藤井と、渡辺明名人(棋王、38)がリーダーのチーム渡辺が待ち構える過酷なグループへの参戦が決まっている。黒田五段は「自分の方が格上だと思って戦う。八冠王になったつもりで行きます」と強気な戦術を披露した。続く冨田四段は、「油断させる」という真逆の作戦。「油断していたら竜王、名人だって足元をすくわれますよというのを証明したい。ドラフトで指名しなかったことを後悔させたい」と闘志を燃やした。リーダーの折田四段が記したのは「SA」の文字。自身の持ち歌から「ありえないことが起きるSA、それが人生SA」と歌い上げ、明るい歌詞で前向きな姿勢を示した。
最後のお題は「賞金の使い道」。夢は大きく、すでに優勝賞金1000万円も視界にとらえる。ここでも、黒田五段は「お世話になった人を招いて祝賀会」、冨田四段は「新将棋会館にサウナルームを作る」、折田四段は「高級ベッドを買う」とそれぞれ個性を見せていた。もちろん目標は全員そろって「優勝」の一択。ファンからは「これは楽しみ」「SAが普通に良い歌で草w」「ぜひ下克上してほしい!」と多数の応援コメントが寄せられていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)