藤井聡太棋聖、防衛&3連覇達成 10代最後の対局を白星で飾る 永瀬拓矢王座に3勝1敗で勝利/将棋・棋聖戦五番勝負第4局
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 将棋藤井聡太棋聖(竜王、王位、叡王、王将、19)が7月17日、愛知県名古屋市の「亀岳林 万松寺」で行われた第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局で、挑戦者の永瀬拓矢王座(29)に104手で勝利し、タイトルを防衛した。シリーズ成績は3勝1敗。この結果で棋聖3連覇を達成、タイトル通算獲得数を9期に伸ばし、歴代単独9位にランクアップした。

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 棋聖戦五番勝負と王位戦七番勝負のWタイトル防衛戦を戦う藤井棋聖が、ハードスケジュールをものともしない盤石の強さを示した。永瀬王座の先手番で始まった本局は、今シリーズ第1局の1回目の千日手局以来となる「相掛かり」の出だしとなった。序盤で藤井棋聖が6筋の歩を突き、先手に飛車で取らせる工夫を披露。ABEMAの中継に出演した郷田真隆九段(51)は「相掛かりを指す棋士であれば考えたことはあるが、深く追求してはいない形。実戦でも数は少なく、藤井棋聖が今回の対局のために用意してきたんだと思う」と解説した。

 藤井棋聖は地元・愛知県での第4局で決着をつけるとばかりに強い踏み込みを見せ、永瀬王座を圧倒。中盤でペースを握ると一気に突き放しにかかり、永瀬王座に粘る隙も与えない完勝を飾った。この結果で、棋聖防衛と3連覇を達成。タイトル通算獲得数を9期に伸ばし、森内俊之九段の12期に次ぐ歴代単独9位となった。

 終局後に取材に応じた藤井棋聖は、「序盤から前例の少ない展開になりましたが、こちらが歩損する形でまとめ方が難しいのかなと思ってやっていました。終盤はこちらの玉が薄い形が続いたので、形勢がわからないまま指していることが多かったと思います」と振り返った。防衛と3連覇、さらには10代最後の対局を白星で飾った本シリーズを「1局目、2局目と苦しい展開が続いて厳しいシリーズだったのかなと思います。結果が出せて良かったですが、厳しい戦いだったので、しっかり振り返らないといけないのかなと思います」と総括した。

 一方、2度目の棋聖挑戦も奪取には至らなかった永瀬王座は、「お相手が違いますが、結果が出せなくて残念。先手番で1勝もすることができなかったので課題なのかなと思いました」とコメントした。

 開幕局では2度の千日手成立の末に黒星発進となったが、最終盤での一瞬の切れ味で見るものを驚かせた第2局、長手数の詰みに討ち取った第3局、そして第4局では構想力で挑戦者を圧倒し3連勝。藤井棋聖がデビュー以来の研究パートナーを公言する永瀬王座とのタイトル戦とあり、そのどれもがドラマチックで、新しい世界観を見せつけたシリーズとなった。20代ではどんな藤井将棋を披露してくれるか、今から興味が尽きない。

 ◆藤井 聡太(ふじい・そうた) 2002年7月19日、愛知県瀬戸市出身。中学2年生時の2016年10月に史上最年少で四段昇段、史上5人目の中学生棋士となる。詰将棋でも抜群の能力で発揮し、プロ・アマが参加する詰将棋解答選手権チャンピオン戦には8歳で初参加。小学6年生時に初優勝し以降大会5連覇を果たした。通算成績は274勝55敗、勝率は0.8328。趣味は鉄道、チェス。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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