大相撲七月場所>◇中日◇17日◇愛知・ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)

 結びの一番で横綱・照ノ富士(伊勢ヶ濱)と前頭四枚目・若元春(荒汐)が熱戦を繰り広げた。しかし、行司が「まわし待った」をかけた瞬間に、若元春が寄り切ったが、協議の末「まわし待ったの状態から取り直し」に。NHKで長らく大相撲の実況などに取り組んでいた藤井康生アナウンサーも「こういうシーンは見たことがない」と珍しがった。

 白熱した一番の結末に場内は騒然となった。2分を超える熱戦となり、若元春の緩んだまわしを締めようと、土俵中央で行司が「まわし待った」をかけたが、その瞬間、行司が視界に入っていなかった若元春が前に出て寄り切った。一方の照ノ富士は「待った」に反応し、すでに力を抜いていた。

 審判団が長い協議を行い、佐渡ケ嶽審判長は「行司が『まわし待った』をかけた瞬間に動いてしまったので、まわし待ったの状態から取り直しと致します」と説明。ビデオ室と審判長が話しをしながら、両力士は体勢を作っていった。

 取り直しで照ノ富士は若元春を下手投げで下した。照ノ富士は6勝目、若元春は4敗目を喫した。前代未聞のハプニングに、ABEMAで解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏は「立ち合いから行った方がいいのかなと思いますけどね」「なんとも…両力士がかわいそうです」とコメントしつつ、「ただまわしは緩んでいましたから」「こういうことは今後起こり得ることだと思うので、きちんとルールを作っておかないと」と提言していた。
(ABEMA/大相撲チャンネルより)

【映像】土俵下に落下した対戦相手に駆け寄る力士の姿にほっこり

大相撲・結びの一番で珍事「こういうシーンは見たことがない」“まわし待った”からの取り直しに館内騒然