捉えられているのは“腕を伸ばした指先にある砂粒”程度? NASAが宇宙望遠鏡の新画像を公開
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 NASA(=アメリカ航空宇宙局)は、人類史上最も遠い宇宙空間が観測できる最新の宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」で捉えた新たな画像を公開した。

【映像】NASAが公開した新たな宇宙画像

 公開されたのは、終末期に達した星が周囲にガスや塵を放出する「南のリング星雲」、地球から約7600光年離れたイータカリーナ星雲にある「宇宙の崖」、ペガサス座にある銀河群「ステファンの5つ子」など。

 NASAのビル・ネルソン長官は「画像の1枚1枚に新たな発見がある」「それぞれの画像が今までに見たことのない宇宙の景色を人類に見せてくれる」と話したが、俳優でサイエンスコミュニケーターの佐伯恵太氏は3つの画像のすごさについて、次のように話す。

・「南のリング星雲」

 「星雲は、ガスや塵によって構成されて、見た目が雲のように見えるもののこと。星には我々と同じように一生があって、誕生して形が変わっていきながら終わりを迎える。例えば、太陽もあと50億年ぐらいすると赤色巨星→白色矮星となって終わりを迎えるが、『南のリング星雲』はその状態になっている星。赤色巨星という段階を迎えるとガスをたくさん放出するが、そうすると画像に見えているような状態になる。これは、まさに太陽の50億年後を表しているような画像だ」

・「宇宙の崖」

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 「我々もいる天の川銀河の中にある星雲で、最大級のもの。この中にはものすごい大きな星もたくさんあって、それらが爆発したりしながら、こういった巨大な星雲をつくっている。見た目が崖のようになっているのは、放出されて広がったガスのうち、充満してとどまっているようなところが山のように見えている。いろんな星が作用しながらこういったものを形成しているのがわかる画像だ」

・「ステファンの5つ子」

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 「これまでの2つは天の川銀河の中の星雲を見ていたが、これはそれ以外の銀河を見ているということで、サイズやスケール感が全く異なる。イータカリーナ星雲で地球から7600光年だが、ここで見えている銀河の一番近いものでも3900万光年なので、ケタが違う。真ん中に2つくっついているように見えるのは相互作用銀河というが、銀河という超巨大なものが干渉するということが見て取れる、それこそSFの世界観が写っている」

 その上で、佐伯氏は「今見ている宇宙はほんのわずかだ」と語った。

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 「宇宙というものはもうすでにあって、50億年経つと太陽も変わって、ということはわかっているが、この宇宙の様子をいかに鮮明に写し出すことができるかというのがものすごく重要。銀河の写真がいくつも出てきて、あと何回かで撮りきれるんじゃないかと思うかもしれないが、別で公開されている銀河団の画像には、何千の銀河があると。これは例えると、腕を伸ばした時の指先にある一粒の砂ぐらいのサイズ感でしかまだ捉えきれてない。なので、これから世界中の研究者たちが一緒になって研究を続けていくだろう」

(『ABEMAヒルズ』より)

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