将棋の藤井聡太棋聖（竜王、王位、叡王、王将、19）が7月17日、愛知県名古屋市の「亀岳林 万松寺」で行われた第93期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第4局で挑戦者の永瀬拓矢王座（29）に勝利し、タイトル防衛と3連覇を達成した。対局後に行われた記者会見では、19日の20歳の誕生日を前に師匠の杉本昌隆八段（53）からサプライズでケーキが贈られる場面も。2016年10月のプロデビュー以来、記録づくめの10代から20代へ「実績よりは実力を高めることが大事。しっかりやっていきたい」と言葉に力を込めた。会見の内容は以下の通り。
【動画】藤井棋聖の“かわいすぎるおやつシリーズ”第4局は「ケロトッツォ」
――タイトル防衛と3連覇を達成された実感について教えてください。
対局が終わったばかりで実感はないですが、永瀬王座を挑戦者に迎えての五番勝負で、厳しい戦いになると思っていた中で結果を出せて良かったと思っています。
――タイトル獲得9期は歴代単独9位。上位は全員永世資格保持者です。10代でその記録に続いたことについての感想を教えてください。
永世称号を意識する段階ではないですが、積み重ねていった先に見えてくるのかなと思います。そういったところを目指してやっていければなと思っています。
――研究パートナでもある永瀬王座とのタイトル戦の感想を教えてください。
第1局は完敗でした。第2局も早い段階で苦しくしてしまった将棋だったので、まずは序盤の精度を上げなくてはいけないのかなと感じました。第1局は2回千日手で、自分としては初めてだったんですけど、普段の対局以上に体力が求められる展開になりましたし、そういったところも向上させないといけないのかなと思いました。
――第1局、2局での反省を第3、4局ではどのように修正されましたか？
第1局、2局は、作戦の面で差を付けられてしまいました。第3局からは入念な準備が必要かなと思って臨みました。
――複数のタイトル戦を戦う中でどのように対局の対策を立てていたのでしょうか。
対局が少なかった時期に序盤について考え直した部分もありました。定跡よりは局面の理解が重要だと思うので、よりしっかりやっていきたいと思います。
――地元・愛知県でタイトル防衛と3連覇を達成された感想について教えてください。
万松寺さんは以前見学に伺ったこともありましたが、今回対局で伺うことが出来て嬉しかったです。今回は大盤解説会も開催できて、地元の方に見に来て頂いた中で結果を出せたことを嬉しく思います。
――今シリーズで成長を実感したことはありますか？
序盤の課題を感じたので、今後修正していけたらなと思っています。
――師匠の杉本八段からサプライズでケーキのプレゼントがありました。感想を教えてください。
師匠からケーキを頂いたのは初めてだと思います。師匠からは毎年お正月にお年玉を頂いていましたが、次からは（20歳になるため）ないと思うので、今回はケーキを頂けたのかなと思います。
――20歳を迎えるにあたってチャレンジしたいことはありますか？
対局が続いているので、すぐに何かを始めてみたいことはないです。20代になるということで、これから大事な時期だと思うので、しっかり取り組んでいきたいと思います。
――デビューから6年。記録づくめの10代の振り返りをお願いします。
タイトル戦に初めて挑戦したのが2年前の棋聖戦でした。その後もタイトル戦に出場する機会をたくさん作ることができたのは良かったのかなと思います。実績よりは実力を高めることが大事だと思うので、しっかりやっていければと思います。
――10代最後の対局を白星で飾った感想をお願いします。
また20日にも対局があるので区切りとは思っていませんが、10代を良い形で終えることができたので、また次の対局に向けて体調をしっかり整えて良い状態で臨めるようにと思っています。
――20代の意気込みをお願いします。
実力を高めていくために今後の数年は重要だと思っているので、そういう意識を持って取り組んでいきたいと思います。
――応援しているファンへ一言お願いします。
対局を見て頂きありがとうございました。今日も難しい将棋でしたが、なんとか防衛という結果を出すことができて嬉しく思っています。あさってから20歳ですが、対局が続くので良い状態で臨めればと思っています。引き続きよろしくお願いします。
（ABEMA／将棋チャンネルより）
