頼れるリーダーは、ヒーローかアイドルか。将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の予選Eリーグ第2試合、チーム渡辺とエントリーチームの対戦が7月16日に放送された。エントリーチームのリーダー折田翔吾四段(32)は、渡辺明名人(棋王、38)率いるチーム渡辺のエース・近藤誠也七段(25)に勝利。3勝3敗に引き戻す大きな勝星を上げた自軍のリーダーに対し、冨田誠也四段(26)はアイドルライブさながら、うちわをブンブン振って大喜びしていた。
リーダー・折田四段がチーム名の「下克上」を体現した。エントリーチームは、ドラフト指名が無かった棋士による地区別エントリートーナメントを勝ち抜けてきた猛者3人組。自分の手で出場権をつかみ取っただけに、その結束力はどのチームよりも強い。将棋界のトップに君臨する渡辺名人率いるチーム渡辺に対し、ここまでに2勝3敗と善戦。何としてでも追いつきたい第6局では、折田四段が立ち上がった。
渡辺名人が絶大なる信頼を寄せる近藤七段との一戦は「雁木」に。近藤七段がペースを握ったかと思われたが、折田四段が巧みに対応。控室の冨田四段は「折田さん行ったんじゃない!?放り込め!」と熱烈に応援していた。反撃に回ってからは近藤玉を詰まして投了に追い込み、切れ味鋭い将棋を披露した。
見事にミッションを達成した折田四段は「準備してきた作戦で、上手く指せたかなと思う。チーム戦なので、♪みーんなーでがーんーばーりーます~♪」と美声を響かせた。この勝利に、控室の冨田四段は大興奮。冷静に「さすがリーダー。対策通りだ」と喜びを噛みしめる黒田尭之五段(25)とは対照的に、立ち上がって拍手すると今度は折田四段が描かれたジャンボうちわをぶんぶん振って「これはデカい!ありがとうリーダー!」と大喜びした。まるでアイドルのライブの観客のような熱狂ぶりに、ファンからは「動きかわいいw」「めっちゃ振ってるw」「冨田先生、飛車もうちわも振るのね」「いいキャラしてる」とコメントが押し寄せていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)