将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント1回戦第1試合、チーム豊島とエントリーチームの対戦が7月30日に生放送された。第6局は、チーム豊島・豊島将之九段(32)がエントリーチーム・冨田誠也四段(26)を下し個人3連勝。スコア4-2とチームの勝利に王手をかけた。
【中継】本戦初出場同士 チーム豊島 対 エントリーチームの激戦
先手の冨田四段が得意の中飛車(穴熊)、後手の豊島九段が居飛車(左美濃)の対抗形と、予想通りの出だしになったが、先に仕掛けたのは冨田四段。3、4筋の突き捨てから駒がぶつかり合うと角、銀と続けて交換し一気に戦いが激化した。中盤は両者ともに馬の活用で攻めの糸口を探る展開になったが、最終盤はお互いの玉が危うくなる端の攻防に。残り時間わずかの中で、形勢も二転三転する激戦となった。
息詰まる熱戦から抜け出したのは豊島九段。ぎりぎりで自玉の詰みがないことを見切ると、最後は豊富な持ち駒を活かして、冨田陣をバラバラに崩してからきれいな即詰み。個人3連勝でリーダーの責任を十二分に果たして見せた。対局後、本人は「最後は結構何回も逆転していると思いますが、勝ててよかったです。連投はあんまりよくなかったですかね。あまり手が見えていないので」とホッとした笑顔が見えていた。
解説を務めた高見泰地七段(29)は「豊島さんのリーダーの意地を垣間見ました。チームに欠かせないんだなと思いました」と、頼れるリーダーぶりを称えていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)