将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント1回戦第2試合、チーム三浦とチーム斎藤の対戦が8月6日に生放送された。チーム三浦の3勝2敗で迎えた第6局は、チーム斎藤・斎藤慎太郎八段(29)がチーム三浦・伊藤匠五段(19)に勝利。スコア3-3で三度タイに戻してみせた。
第2局の再戦となる両者だが、すでに第6局と九番勝負もいよいよ終盤戦。ここまでの5局はすべて先手番が勝利しており、本局で先手番の斎藤八段は「本局先手の私の頑張りどころ。一番先を越されているので意地を見せたい」と意気込んだ。しかし、勝負所は伊藤五段にとっても同じ。チーム勝利へ王手をかけるか、さらには個人で初勝利を挙げることができるかとあり、敵将との対戦に向けて「自分が足を引っ張ってしまっているが、チームメンバーは良い将棋を指しているので刺激になっている。これまでの将棋は、中終盤で競り負けている感じがするので、冴えた手を指したい」と闘志を燃やしていた。
大一番での一局は、斎藤八段が趣向を変えて相掛かりを志向。斎藤八段は本局でもじっくりと時間を使い、慎重に指し進めていた。中盤では華々しい攻め合いを展開し、斎藤八段のペースに。伊藤五段は千日手模様を示唆したが、斎藤八段は強く踏み込み打開した。最終盤の秒読みに追われる中でも、正確な指し手で伊藤五段を投了に追い込んだ。
大きな一勝を挙げた斎藤八段は、「序盤から押されて終始自身はなかったが、終盤になって手が見えてくるようになって良かったのかなと思う。7五玉を上がって入玉するか後手を寄せるか天秤にかけるような展開になったので、粘り強くやってよかった。チームメンバーにほめてもらいたい。さらに力を合わせて頑張りたい」と笑顔を見せた。一方、エース・伊藤五段はまさかの個人3戦全敗。「ずっとわからなかった。途中で筋の悪い手が出てしまってきつくなってしまった。自分だけ負けている状況で申し訳ないが、チームの皆さんを信じたい」とメンバーに思いを託した。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)