将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント2回戦第1試合、チーム永瀬とチーム広瀬の対戦が8月13日に生放送された。チーム広瀬がスコア2-1とリードして迎えた第4局は、増田康宏六段(24)が三枚堂達也七段(29)に勝利した。この結果スコアは2-2のタイに戻り、残り5局でベスト4進出が決まることになった。
【中継】第5回ABEMAトーナメント 本戦T 二回戦 第一試合 チーム永瀬 VS チーム広瀬
三枚堂七段から始まった一局は相掛かりに。両者ともに中住まいを選択したことでバランスを重視した序盤になった。中盤の入り口で角交換が入ると、直後には飛車の取り合いも入って一気に戦いが激化。三枚堂七段の玉頭攻めと、増田六段の大駒を活かした攻め、どちらのスピードが勝るかという白熱の展開になった。
増田六段は予選で5戦全勝、この日の自身の初戦でも勝利し、今大会無傷の6連勝と図抜けた成績を残していたが、本局でも残り時間がわずかになっても落ち着いた指し手の連続で三枚堂玉の退路を断つことに成功。勝機を逃さず圧巻の指し回しで即詰みに討ち取り、自身無傷の7連勝を飾った。
対局後は「ずっと難しい将棋でしたが、最後うまく詰ませることができました。6六銀成としたあたりで詰みの形が見えました」と淡々と勝利を振り返ると「自分はいい流れで来られている」と、充実ぶりを自覚するコメントが多く見られていた。また解説の金井恒太六段(36)からも「大駒が総交換になる激しい将棋でした。増田六段が長い詰みを指しながら読み切った。素晴らしい着地を決めました」と決定力の高さを称えていた。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)