先月、ニュース番組『ABEMA Prime』のTwitterアカウントに「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の“2世信者”から「匿名で取材に応じたい」とダイレクトメッセージが寄せられた。番組では、テレビ朝日の平石直之アナウンサーと、レギュラーMCのひろゆき氏、さらに旧統一教会の活動実態について取材を続けてきた鈴木エイト氏を聞き手に、約70分にわたって話を聞いた。
【独自】「教団が無くなるのは寂しい」“現役”2世信者の本音にひろゆき氏は(動画あり)
実際に番組に出演したタカハシさん(20代男性・仮名)の話を聞いたネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「徐々に是正されていく動きになればいい」とコメント。
「現役信者が、高額献金をいかがなものかと思っている部分があったが、言いづらく表に出せなかったと思う。今回のような形で『あれはよくないよね』と表で言う人がいて、内部でも言う人が出始めて、結果として『霊感商法のようなものはよくないよね。韓国にお金を流しすぎだよね』と、徐々に是正されていく動きになればいいと思う」
その上で、ひろゆき氏は「強姦された人でも『中絶はよくない』とする宗教もある。宗教の教義が一般社会とずれることはよくある。違法な形で、借金を負わせて自己破産させて、献金させるといった違法行為がなくなれば、別にどんな教義を信じてもいい」と持論を述べた。
ジャーナリストの堀潤氏は「信仰には、本人の自由もある。カルト規制をするのであれば、それは消費者保護の観点から、しっかり制度を入れればいい」とした上で「政治の政策決定プロセスにおける宗教との関係は、しっかり明らかにしてほしい。これを『統一教会の問題だ』とやってしまうと、かえって政治家たちの逃げにつながってしまうのではないか」と話す。これに平石アナウンサーは「言ってみれば、現役信者の中でも、信仰の深さなどに、グラデーションがある。今回はあくまでゲストの考えであり、それぞれ立場が違う。取材、報道を積み重ねていかなければならない」と答えた。
一方で、これまで信者2世を取材してきた堀氏は「みなさん『アイデンティティクライシスに陥る』と言っていた。自分では選択できない環境で生まれ育ち、成長してきて、それを全て否定されると『自分はいったい何者なのか』と思ってしまう。『自分の選択は狭まれてきたけど、やっぱりここ以外になかなか居場所がない』と言う人たちを、どのように社会的が包摂していくか。これはとても重要だ」と指摘。平石アナも「普段、接していると、見た目だけでは何も分からない。その中で(信者2世にも)葛藤がある」と同意した。
スタジオの展開を見守っていたキャスターでフリーアナウンサーの柴田阿弥も「家族が破産したり、奨学金を使われたりした話などを聞いて『なぜその宗教を信仰できるのか』と最初は思った」とした上で「確かにそこで育って、自分がアイデンティティを感じていたら、少し違うかもしれないが、自分の生まれた村がなくなるような、寂しい気持ちもあるのだろうと思った。ちょっと違う見方ができた」と理解を示していた。(「ABEMA Prime」より)
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