8日、IT大手のソフトバンクグループは4月から6月期の連結決算の最終損益額について、3兆1627億円の赤字を発表した。前の期と合わせると赤字は5兆円を超え、国内企業3カ月間の決算としては過去最大となる。
【映像】一覧で見るとなんだかすごい…! ソフトバンクグループの事業たち(画像あり)※4:20ごろ〜
孫正義社長は「(前年に)大きな利益を出したときには、やや有頂天になる自分があったなということを今となれば大変恥ずかしく反省している」とコメントしている。
巨額な赤字は今回が初めてではない。2019年11月に孫社長は「ボロボロでございます。真っ赤っかの大赤字でございまして」と報告。当時はまだ余裕の笑顔を見せていたが、今回の孫社長は神妙な面持ちで人員の削減や投資の抑制など、大幅なコストダウンを発表した。
スマートフォン契約数が順調に伸び、QRコード決済トップシェアのPayPayを子会社化するなど、傘下の事業は順調そうに見えるが、今後はどうなってしまうのだろうか。ニュース番組『ABEMA Prime』で専門家と共に考えた。
ネット掲示板『2ちゃんねる』創設者のひろゆき氏は「『世界の中のソフトバンク』という広い視点で理解しなきゃいけない」と見解を述べる。
「10兆円を使ったビジョンファンドでWeWork(※起業家向けのコワーキングスペースを提供するアメリカ企業)などに突っ込んだお金がどうなるのか?『世界の中のソフトバンク』として理解しなきゃいけない。PayPayや携帯電話とか日本人向けのサービスがどうなるかの話ではない。一般市民の感覚で孫さんがどのように思っているかなんて、絶対に分かるわけがない。ものすごい突出した才能がある人なので。一般人が赤字額から想像して『きっと悲しいだろうな』と考えてもしょうがない」
著書に『起業の天才!江副浩正 8兆円企業リクルートをつくった男』などがある経済ジャーナリストの大西康之氏も「ソフトバンクの赤字は、普通の会社のそれとは全然種類が違うものだ」と指摘する。
「会社組織で見ると今は、ソフトバンクグループとソフトバンクKKがあって、グループの方が孫さんが経営する親会社で投資会社だ。その下のKKに、スマホのソフトバンクや、Yahoo!などの事業がある。今回の3兆円、2兆円の損は投資の評価損。ソフトバンクの財布から3兆円が出ていった話では全くない。これはかなりテクニカルな話で、すぐに会社が傾く類の話では全くない」
現金が必要になったことで、手放した株式もあるというが、大西氏はどのように考えるか。
「そうは言ってもここまで資産が減ってしまうと、投資した側が心配する。ソフトバンクの10兆円ファンドは、全部が孫さんのお金ではない。孫さんが『この指止まれ』でやっている。『俺が投資するから乗らないか』と言って、世界中の機関投資家や、サウジアラビアの王様や皇太子のファンドなどがお金を入れている。もちろん日本の銀行もお金を入れている。そういう人たちが『大丈夫か?』『俺たちの金はちゃんと返ってくるか?』と不安になるので、その不安を払拭するために、持っているものをちょっと現金化して、ちゃんと見せ金をキャッシュとして作ったのだろう」
大西氏の解説に、ひろゆき氏は「中東の人たちはエネルギー高でめちゃくちゃ儲かっている。いかに彼らのご機嫌をとるか。孫さんのご機嫌を取る力が生きていれば、何の問題もない話だ。孫さんはいつも通り頑張っているなと、僕は楽しく見ている」と述べた。(「ABEMA Prime」より)
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