将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント2回戦第2試合、チーム稲葉とエントリーチームの対戦が8月20日に生放送された。第4局はチーム稲葉からは服部慎一郎四段(23)が連続出場。エントリーチームの黒田尭之五段(25)を破り4連勝とチームの勝利に王手をかけた。
エース対決は服部四段が制した。先手の服部四段は序盤から工夫を見せ、早々に優位に立った。後手の黒田五段も得意の三間飛車から銀冠と陣形を整い、積極的な姿勢を示したが、手厚い展開を目指した先手の穴熊は強固。服部四段は後手の玉頭をピンポイントで攻め立て、瞬く間に寄せ切り連勝を飾った。
服部四段は、現在公式戦18連勝中で、今年度成績21勝3敗と対局数、勝数、連勝ランキングですべて1位に立つ伸び盛り。ABEMAトーナメントでも予選Dリーグ第3試合、佐藤康光九段(52)率いるチーム康光に対して個人で3連勝と高い適性を披露するなど、持ち時間の長短を問わず大活躍を見せている。危なげなく勝ち切った本局の対局後には、「穴熊の堅さを活かして食いついていく展開で、行けるかなと思っていた。(チーム勝利まで)あと1勝ですが、まだまだこれからだと思っています!」と明るい笑顔を見せていた。
一方、連敗を喫した黒田五段は、「服部四段らしい手厚く盛り上がってくる展開で、経験がなく作戦負けになってしまった。またドラマを起こしたい」と、チーム名の“下克上”を期した。
◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)