将棋の藤井聡太王位(竜王、叡王、王将、棋聖、20)が8月24、25日に行われたお~いお茶杯王位戦七番勝負の第4局で、豊島将之九段(32)に95手で勝利した。藤井王位がリードして迎えた終盤戦だったが、そこにはいくもの危険な落とし穴が待ち受けていた。しかし、自玉が詰まないことを完璧に読み切り勝利。鮮やかな勝ち方に、ファンからは「鳥肌」「さす聡」「読み切って太」と多くの声が集まった。
藤井王位の先手番で始まった本局は、これまでの3局と同様に角換わり腰掛け銀が採用された。銀交換の後に未知の戦いへと突入。随所に工夫の手がちりばめられ、後手の豊島九段は封じ手で「勝負手だった」という相手の歩頭に銀を捨てる意表の一手を放った。
藤井王位は「あまり予想していた手ではなかったが、打たれてみるとこちらがどう指せばいいのか難しい形だった」と長考に沈んだ。しかし、そこからも動じることなく左右ににらみを利かせる5筋に角を据えて、豊島九段の構想を探った。
終盤に向かうにつれ、ABEMAの「SHOGI AI」は徐々に藤井王位側へ傾いていく。しかし、先手玉も決して安全ではない。中継に出演した解説陣は手堅く受ける手順も検討していたが、藤井王位は詰将棋で培った抜群の終盤力を発揮し、銀打ちで王手。タダで銀を渡しても自玉が詰まないことを読み切った上での選択に、解説の西田拓也五段(31)は「これしかなければ(銀打ちを)考えると思うが、他に手堅い勝ち方がありそうだっただけに、これを選べるのは強すぎる。さすがですね」と驚嘆の声を上げていた。
しかし、まだまだ正解の一手以外を選べば評価値が真っ逆さまにひっくり返る局面に変わりはない。それをも完璧にすり抜けてみせ、豊島九段は詰みがないと判断して投了した。西田五段は、「(投了図でも)先手玉は危なくて、先手玉が詰まないことを証明するのは難しい局面。すごく危ない筋がたくさんある、落とし穴だらけの局面なんです。豊島九段はご自身でも不詰めを読み切られて、無駄な王手をかけずに投了されたんだと思います」と解説していた。
本局でも見られたあまりもに鮮やかな勝ち方に、ファンからは、「こっわ」「ええー」「読み切って太」「すーーん、だ」「解説者引いてるやん」「鳥肌」「聡太信用組合」「プロ怖い」「えぐい」と多数の声が寄せられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)