8月29日に京都市内で行われた、子どもの結婚相手を探す親のための「代理婚活パーティー」。一般社団法人「良縁親の会」が主催し、2005年から全国各地で570回以上開催され、参加者はのべ4万人以上にのぼる。参加を希望する親の数は年々増えているという。
一方で、親の干渉に困っている子どももいる。30代半ばの女性・Emmaさんは、約10年前からマッチングアプリや結婚相談サービスなどを利用し、結婚したいと思った人を親に紹介したところ反対されてしまった。
30代になると、親からは「結婚しろ」と急かされるように。Emmaさんが外国籍の黒人男性を紹介すると「国際結婚はダメ」、Twitterで知り合った男性を紹介すると「ネットはダメ」と度重なる反対にあい、今も婚活を続けている。
親からの干渉内容について、Emmaさんは「『お付き合いしている方はどんな人なの?』とか、『どんな仕事をしているの?』『ご両親は健在?』とか、あとは相手の兄弟構成を聞いてくる。長男だと嫁に行く時に大変なことになるからやめほうがいい、というのが親のアドバイスだ。つらかったのは、『本当にその人と結婚して幸せになれるのか?』。私がいいと思って見つけた人をそういうふうに言われたのは傷ついた」と説明。
紹介しても反対されるのに結婚を急かされるというのはどういうことなのか。「外国人の方とお付き合いしていた時は、私も“外国人はダメかな”と思っていたのが正直なところ。親が納得する人を見つけるという夢もあって探しているが、そういう人はスペックが高くてなかなか見つからない」と明かす。
では、反対を押し切って結婚することは考えなかったのか。「30代半ばということもあって、この歳で駆け落ちしても周りから反感を買うだけだなと。お付き合いしている方も私も自信がなくて、押し切れずにお別れした。親と縁を切るまではさすがにできないが、精神的に距離を置きたくて今は親とは別のところに住んでいる」。
子どもの結婚に口を出す親について、結婚相談所「マリーミー」の代表を務める植草美幸氏は「血を分けた子どもだから、自分の思いどおりになるだろうという私物化だ」と指摘している。
プロデューサーで慶応義塾大学特任准教授の若新雄純氏は「“あなたの所有物ではない”という姿勢をきっちりとっておくことがすごく大事だと思っている。僕の両親も家をとても大事にする親で、3人きょうだいに対してものすごく干渉してきた。途中までは“あなたたちは子どもなんだから”という態度だったが、とことん反抗した。“あなたたちの飼い犬ではないんだ”ということを示していく中で、“お前らみたいなやつはもう子どもじゃない”と言われながらも、大人になるにつれて関係が深まっていき、選択を尊重してくれるようになって自立していった。本当に“この人”という相手が見つかったら、自分は1人の人間だということをつきつければ、結果的に親は寄り添ってきてくれるのではないか」との見方を示す。
制度アナリストの宇佐美典也氏は「自分の子どもが結婚する時に絶対に言おうと思っているのが、『離婚したくなったら離婚しろ』と。僕自身が結婚しようと思ったのも、友人の結婚式で新婦の親がそう言っていたのを聞いてハッとしたからだ。うまくやろうとするから選定が難しくなるので、“ダメだったら離婚するか”という逆転の発想が重要なのではないか」と自身の経験から提案。
しかし、Emmaさんは「私の姉も結婚を反対され続けて、5年待って結婚した。今でも父親は反対したままなので、“離婚してもいいから”という発想はないだろう」と答えた。
長年、報道番組でキャスターをつとめるジャーナリストの安藤優子氏は「“離婚するのが家の恥だ”というような感覚がまだ残っているところもあると思う。出戻りとか、バツイチなどというのはひどい言い方で、バツなの?みたいな。“結婚に失敗する=人生ダメ”という烙印を押すような認識はとても残念なことだ」と述べた。(『ABEMA Prime』より)
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