一瞬の切り返しと紙一重の見切り 渡辺明名人、佐々木大地七段の得意・相掛かりを耐えチーム初勝利もぎ取る/将棋・ABEMAトーナメント 将棋 2022/09/03 19:51 拡大する 将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント2回戦第4試合、チーム渡辺とチーム天彦の対戦が9月3日に生放送された。第1局をチーム天彦が制して迎えた第2局は、リーダー渡辺明名人(棋王、38)が佐々木大地七段(27)に勝利。スコアを1-1のタイに戻した。【中継】チーム渡辺 対 チーム天彦 ベスト4最後の1枠をかけた戦い 一瞬の切り返しと紙一重の見切り。これが名人の底力だ。序盤、先手の佐々木七段がエース戦法としている相掛かりを採用。さらに序盤から研究手順と思われる飛車切りからの踏み込みでペースを握ると、渡辺名人も「作戦負け気味から苦しかった」と自覚しながら指し進めていた。中盤、少し佐々木七段が攻めあぐねる展開になると、ここから渡辺名人も2枚の桂馬で5筋を攻めようと牽制。タイミングよく跳ねると、一気に盤面中央で激しく駒がぶつかり合った。勝敗の分かれ目となったのが、渡辺名人が放った△5六桂という妙手。佐々木七段が香を打ち込もうとしたスペースを消しつつ、一気に佐々木玉に迫るルートを生み出した。これで逆転すると、最後は佐々木七段が追い込んだものの、1手違いの詰み筋を発見していた渡辺名人が少ない持ち時間の中でもきれいに詰ましきった。 続きを読む