一瞬の切り返しと紙一重の見切り 渡辺明名人、佐々木大地七段の得意・相掛かりを耐えチーム初勝利もぎ取る/将棋・ABEMAトーナメント
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 将棋界の早指し団体戦「第5回ABEMAトーナメント」の本戦トーナメント2回戦第4試合、チーム渡辺とチーム天彦の対戦が9月3日に生放送された。第1局をチーム天彦が制して迎えた第2局は、リーダー渡辺明名人(棋王、38)が佐々木大地七段(27)に勝利。スコアを1-1のタイに戻した。

【中継】チーム渡辺 対 チーム天彦 ベスト4最後の1枠をかけた戦い

 一瞬の切り返しと紙一重の見切り。これが名人の底力だ。序盤、先手の佐々木七段がエース戦法としている相掛かりを採用。さらに序盤から研究手順と思われる飛車切りからの踏み込みでペースを握ると、渡辺名人も「作戦負け気味から苦しかった」と自覚しながら指し進めていた。中盤、少し佐々木七段が攻めあぐねる展開になると、ここから渡辺名人も2枚の桂馬で5筋を攻めようと牽制。タイミングよく跳ねると、一気に盤面中央で激しく駒がぶつかり合った。勝敗の分かれ目となったのが、渡辺名人が放った△5六桂という妙手。佐々木七段が香を打ち込もうとしたスペースを消しつつ、一気に佐々木玉に迫るルートを生み出した。これで逆転すると、最後は佐々木七段が追い込んだものの、1手違いの詰み筋を発見していた渡辺名人が少ない持ち時間の中でもきれいに詰ましきった。

 解説を務めた藤森哲也五段(35)も「名人の力を見た」と絶賛。視聴者からも、絶妙な切り返しと、自玉の危険度を確実に判断しながら、相手玉を詰ませきった終盤力を称える言葉が大量に寄せられていた。

◆第5回ABEMAトーナメント 第1、2回は個人戦、第3回からは3人1組の団体戦として開催。ドラフト会議で14人のリーダー棋士が2人ずつ指名。残り1チームは、指名を漏れた棋士がトーナメントを実施、上位3人がチームとなり全15チームで戦う。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。チームの対戦は予選リーグ、本戦トーナメント通じて5本先取の9本勝負。予選は3チームずつ5リーグに分かれて実施。上位2チーム、計10チームが本戦トーナメントに進む。優勝賞金は1000万円。
ABEMA/将棋チャンネルより)

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